ハイキング中のトラブルはなるべく避けたいですが、いざと言う時のために備えは大切です。
「何を持っていったら分からないから準備してない」、「いろんなシチュエーションを考えると荷物が膨れ上がった」という方も中にはいるのではないでしょうか。
ハイキング中の安全対策は自己管理が前提です。
トラブルが起きたら時に備えてエマージェンシーキットは必需品です。
しかし、エマージェンシーキットですべてのトラブルを対処するのは限界があります。
個人用エマージェンシーキットを用意する際は以下のポイントを抑えておくとよいです。
自分自身で対処可能な小さいトラブルへの装備を揃える
トラブルがないに越したことはないですが、いざと言う時の備えは大切です。
実用的なエマージェンシーキット持っていると安心感が違います。
本記事ではエマージェンシーキットで備えるべきトラブルについてと、さらに日帰りから1~2日間のテント泊を想定したソロハイク用のエマージェンシーキットの中身の具体例を紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
エマージェンシーキットとは
エマージェンシーキットとは、予期せぬ事態に応じて備える道具とファーストエイドを合わせたものです。
ファーストエイドとは、野外で応急的な手当てをする道具のことです。
ハイキング中には、擦り傷のような小さなトラブルから、一命に関わる大きなトラブルがあります。
ありとあらゆるトラブルを、個人で対処しようとするとキリがありません。
個人用エマージェンシーキットは、次のポイントを抑えて道具を揃えましょう。
自分自身で対処可能な小さいトラブルへの装備を揃える
- 高頻度で起こる軽度のケガや病気の薬
(例:切り傷、捻挫、発熱、下痢、脱水症状) - 最低限の止血道具
- 破けた装備の補修道具
- ビバーク用品
(ビバーク:緊急で宿泊指定地以外の山中で一夜を明かすこと)
パーティの場合は、医務係や装備係を設けることで、持っていく道具の種類と量を増やせます。
しかし、ソロハイクの場合、自分自身で対処できる最低限の装備があれば十分だと考えています。
不安に思うかもしれませんが、そもそも自然の中に入るというのは、リスクのある行為です。
もちろん備えは大切ですが、事前の計画や体調管理を行い、ハイキング中は無茶な行動はしないようにして、大きなトラブルに遭わないように予防する方が重要です。
もし十分な準備をしたのにも関わらず、それでも万が一の事態に陥ったら運がなかったと割り切るしかありません。
諦めないで、持っている装備をフル動員して、自力で乗り越えるか救助の要請に徹しましょう。
エマージェンシーキットの紹介
上の画像は私が普段使用しているエマージェンシーキットです。
小物を一つにまとめ、ジップロックなどや防水ポーチで防水対策を行います。
また、いざと言う時に取り出しやすいように、バックパックの奥底ではなく取り出しやすい位置に収納しています。
それでは次に、エマージェンシーの中身を紹介します。
ソロハイクで使用する個人用で日帰りから1~2日間のテント泊を想定した内容です。
これらを参考にし、足りないものを加えたり不要なものを省いたりして自身でアレンジをしてください。
緊急時に使用する道具
緊急時に使用する道具として、ビバーク用品と壊れた装備の補修道具を用意します。
ツェルト
ビバークをする際に、体を休める空間を確保するための簡易シェルターです。
一人用のツェルトは風の影響が少ない場所では、ポンチョのよう雨具として使用することも可能です。
コースタイムが長い場合や、エマージェンシーブランケットだけでのビバークが厳しいと想定される場合、持っていくようにしています。
私はファイントラックの「ツェルト1」を使用しています。
高い耐久性と結露が生じにくいので非常時はもちろん、通常のテント泊にも使用することも可能です。
なお、張り縄は付属していないので最低でもメインロープ2.5m×2本を用意する必要があります。
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実際に私が使用しているのはハイカーズデポさんの「ツェルト1 HD Custom」です。
通常版との違いは、色とサイドリフターが追加されている点です。
気になる方はリンクを参照してください。
エマージェンシーブランケット
薄いビニールテープをアルミに蒸着させたコンパクトで軽量なシートです。
高い熱反射性があるので、体を覆うと効果的に保温できます。
使い捨てで安価なサバイバルシートもありますが、何度も使用可能なSOLの「エマージェンシーブランケット」がおススメです。
テントのインナーシート、グラウンドシートなど非常時以外にもいろんな場面で活躍します。
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ライター
暖を取ったり、火の揺らぎを見て気持ちを落ち着かせるために使います。
また、バーナーの着火用のライターが故障した場合の予備ライターでもあります。
ヘッドライト
1泊以上の山行であれば常備しますが、日帰りでもヘッドライドを装備に含めます。
薄暗くなった時の視界確保や、SOS信号は発信するために使用します。
ただ、完全に太陽が沈んだら道迷いのリスクが高まるので、ヘッドライトがあるからと言って無理に行動せずにビバークを行いましょう。
私が使用しているPETZLの「e+LITE」は軽量・コンパクトで持ち運びが楽なうえ、長さ調節パーツがホイッスルになっているので、視界が悪い時にも周りに救助を求めることができます。
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小型万能ナイフ
ナイフ、ハサミ、ピンセットなどが収納されているマルチツールです。
そんなにたくさんの機能は必要ないので、三角巾やウェアの裁断ができる最低限なもので十分です。
また、ピンセットがあるで棘が刺さった時にも便利です。
私が使っているものは知人からの頂きものなので、正確なモデルがわからないのですが、VICTORINOX「クラシックSD」が一番近いモデルになります。
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ダクトテープ
粘着性と耐久性に優れた粘着テープです。
レインウェアやテントなどが破れた時、穴を塞ぐのに使用します。
また、捻挫した時のテーピングや一時的な止血にも利用することも可能です。
タクトテープは、ホームセンターなどで大量に売られているので、必要な長さをペンや水筒などに巻き付けると持ち運びが楽です。
ただ、私は見た目とほかの装備に粘着性が付くのが気になったので、少量の長さで小分けになっているSOLの 「ダクトテープ」を使っています。
安全ピン
写真には載せていないですが、装備の補修をするのに有効な道具です。
ウェアやバックパックのファスナーが壊れた時や、布を固定する時に使用します。
ファーストエイド
ファーストエイドは市販品もあります。
市販品は、1つ買っておけば大体の物が揃うので、ベースとして活用するのも良いです。
ただ、医薬品が含まれていないのと、必要以上の道具が入っている場合があるので、自分でアレンジをするのをおススメします。
持っていく道具の量の目安は薬なら1日分、消耗品なら数回分にしています。
行程が長い場合や少ないと感じた場合、量は調整してください。
三角巾
止血や清潔な当て布用といて用意します。
絆創膏
擦り傷から大き目な傷に対処できるように、大・中・小のサイズを2~4枚用意します。
上記の物とは別に、ハイドロコロイド絆創膏があると安心感が上がります。
風邪薬
のどの痛みなど、体調の変化があったときに服用します。
痛み止め
負傷したときや頭痛がヒドイときに服用します。
下痢止め
お腹を下したときに服用します。
常備薬
持病などで日頃から飲んでいる薬がある場合は、予備を用意します。
私はアレルギー性鼻炎が出るので、症状を抑える薬を持参しています。
軟膏
擦り傷や靴連れ、日焼けで割れた皮膚を保護するために用意します。
熊対策
山中は動物のテリトリーなので、なるべく刺激しないようにしましょう。
動物とのトラブルを避けるように工夫したり、万が一の時に備えて撃退の手段を備えておきましょう。
ベアキャニスター(食料の匂い対策)
ベアキャニスターとは、食料を動物の手に渡らないようにするための入れ物です。
食料を密閉して匂いを防ぐことで、動物が寄り付かないようにします。
また、荷物が荒らされることがあっても、ベアキャニスターは滑りやすくとても頑丈なので熊では空けることも壊すことができません。
知床半島や海外の国立公園など、熊が多く生息している地域では必須装備になります。
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上記の商品は日本ではほとんど流通していないので海外からの取り寄せが必要です。
ただ、通常のハイキング・登山でベアキャニスターを使うのは、オーバースペックかつ、重くて嵩張るので出番はありません。
食料は、ジップロックやビニール袋の口をきつく縛ったりして匂いを閉じ込めて、食事の時以外は匂いを出さないように注意しましょう。
熊よけスプレー
刺激の強い成分を噴射して、熊などの動物を撃退するスプレーです。
万が一、熊が近づいてきたら発射します。
私はまだ実際に使用したことがないですが、いざと言う時に使えないと意味がないので取り出しやすさと持ち運びやすさを重視しています。
カールホーネックの「ペッパー レディ」は非常にコンパクトなのでズボンのポケットやサコッシュに入れることができます。
熊よけ鈴
動物に人間の存在を知らせるための鈴です。
行政や自治体も熊よけ鈴の装着を推奨していますが、実際に効果については所説あるようです。
警戒心が低い個体には効果が薄く、好奇心が旺盛な個体には逆効果かもしれないからです。
ですが、多くの自然界の動物は警戒心が強いはずなので、偶然に鉢合わせるリスクは低くするために使用すべきだと思います。
熊よけ鈴の効果は過信しないで、あくまでもお守りとして考えた方が良いです。
動物を近寄らせないという意味では、食べ物の匂いを防ぐ方が効果的です。
熊よけ鈴を選ぶ際は、消音機能やケースがある物がおススメです。
登山口までの移動中の音が気になりません。
デザインも豊富なのでお気に入りを探してみてください。
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また、熊よけ鈴は、熊対策だけでなく他のハイカーにも知らせるためにも有効です。
熊よけ鈴があると、相手に気づいてもらいやすく追い抜きがスムーズになります。
まとめ
エマージェンシーキットについて紹介しました。
個人用エマージェンシーキットを用意する際のポイントは、以下です。
自分自身で対処可能な小さいトラブルへの装備を揃える
- 高頻度で起こる軽度のケガや病気の薬
(例:切り傷、捻挫、発熱、下痢、脱水症状) - 最低限の止血道具
- 破けた装備の補修道具
- ビバーク用品
(ビバーク:緊急で宿泊指定地以外の山中で一夜を明かすこと)
使えないものがたくさん入ったお守りのようなエマージェンシーキットではなく、自分自身が使いこなせる実用的な道具を揃えて非常時に備えてください。