皆さん、テント泊をしたことはありますか?
「山でテント泊をやってみたいけど、当日は何をすればいいの?」「テント泊に必要な装備が分からない、、、」など最初はたくさんの疑問にぶち当たると思います。
テント泊をするにはどんな作業があるのか、またどんな装備が必要なのかわかっていないと、登山計画を立てることができないのでとても危険です。
そこで本記事では、初心者でもテント泊のイメージができるよう以下について解説します。
- ハイキングのテント泊について
- キャンプ地に到着してから翌日の出発までの流れ
- テント泊の装備
テント泊をすると自然をより身近に感じることができます。
そして、今まで行けなかった遠くの山にも行けるようになります。
そうするとハイキングがより楽しくなります。
ぜひ、参考にしてみてください。
- 山登りにハマり約10年、低山から日本アルプスの山々をゆるーく楽しんでます。
- アラスカのデナリ国立公園でバックカントリーキャンプをした経験もあります。
- 熊野古道伊勢路、塩の道トレイルなどの長距離ハイキングも歩いています。
目次
テント泊について
ハイキングとは自然を楽しむレジャーです。
そして、テント泊はハイキングの過程の一部になります。
山でキャンプをするときは、自然への配慮と自身の安全の両方を気を付けないといけません。
山の中で一晩過ごすと風の流れ、雨の音、月や星の明るさに気づくことができます。
より自然を感じることができるのは、テント泊の醍醐味の一つです。
また、テント泊では日帰りで行けないような山奥にも行くことができます。
キャンプ指定地以外でのテント泊はNG
テント泊は自由なイメージがあるかもしれません。
しかし、日本では基本的にキャンプ指定地以外でテント泊をしてはいけないことになっています。
キャンプ指定地を利用するには、キャンプ地を管理している山小屋で受付をする必要があります。
日本の場合、国土の狭さとキャンプに適した場所が限られています。
そのためキャンプ地を指定することで自然への影響を一か所にまとめ、他の自然を保護しています。
一方、アメリカなど海外の国立公園の場合、キャンプ地が指定されていないことが多いです。
これは自然への影響を分散することで自然を保護しています。
基本的には自然環境と安全を考慮していれば、どこでもテント泊は可能です。
もちろん、キャンプ地の指定や入園規制がされている場所もあるので事前に確認する必要はあります。
ソロでのテント泊
ソロハイクではより慎重に装備選びと登山計画をする必要があります。
複数人でテント泊をする場合、装備をシェアすることで荷物の量を少なくすることができます。
しかしソロの場合、すべての装備を一人で運ばないといけないので、余計なものを持ちすぎると荷物が重くなり危険です。
さらに、テントの設営や調理などの作業も分担ができません。
効率よく作業しないと、体を休める時間やキャンプ地で楽しむ時間が少なくなります。
このようにソロハイクのテント泊は少しハードルが高いですが、すべての工程を一人で行うことで得られる達成感と経験値はとても大きいです。
そして、自分が好きな時に自分が好きな山に行けるのはソロハイクの魅力の一つです。
キャンプ地に到着してから翌日の出発までの流れ
次に、テント泊の流れを解説します。
ここでは山小屋で受付をしてから翌日の出発までの流れについて取り上げます。
なお、記載している時間は目安になります。
ルールではありませんが、安全にハイキングをするためにぜひ参考にしてください。
15:00 山小屋で受付
山小屋には遅くても15時までに到着するように計画をしましょう。
日没時刻と比べて、到着時刻に余裕を持たせることで、トラブルが発生した時のリスクを抑えられます。
山小屋に到着したら受付で料金を支払い、注意点などの説明を聞きます。
この時、テントの設営場所の説明があるのでしっかり確認しておきましょう。
ほとんどのキャンプ地では、予約ができないので先着順になります。
なので、テントを設営するのに良い条件の場所はすぐになくなってしまいます。
最悪の場合、テントを張れる場所がなくなり、山小屋に泊まらないといけないケースもあります。
テント泊を計画する際、テント場の収容スペースと、到着予定時刻を考慮しましょう。
15:30 テント設営
快適・安心して過ごせそうな場所にテントを設営しましょう。
場所探しのポイントは以下になります。
テント場によっては、すべての条件を満たす場所を見つけるのは難しいかもしれません。
その時は割りきって、可能な限り好条件の場所を探しましょう。
また、山頂付近のキャンプ地では常に風が吹いている場合があります。
そうした中、テントの設営に手こずっていると、風でテント本体やフライが飛ばされてしまう可能性があります。
そうならないように、事前に練習をして少しでも慣れておきましょう。
テントの設営できたら自由時間です。
景色を楽しんだり体を休めるなど好きなことをしてください。
17:00 夕食
山で食べるご飯は何を食べてもおいしいです。
しっかりと食事をして、疲れた体を労いましょう。
ハイキングは行動時間が長いため、非常に多くのカロリーを消費します。
食料計画については以下の記事を参考にしてください。
テント泊では基本的に自炊をする必要があります。
しかし、山小屋が混雑していない時間帯であれば軽食の注文ができることがあります。
山小屋での食事ができると、持っていく食料が少なくなるので装備の軽量化ができます。
20:00 就寝
あまり夜更かしはせずに、山小屋の消灯と同じ時刻に寝るようにしましょう。
消灯時刻は20~21時のところが多いです。
中には消灯時刻よりも早い時間帯から寝ている人もいます。
消灯前だからと言ってあまり騒ぎ過ぎず、周りの人に配慮をするようにしましょう。
4:45 起床
翌日はその日の計画に合わせて起床します。
ご来光を見る場合やその日の行動時間が長い場合、早起きをしないといけません。
朝早くから行動する場合、周りがまだ寝ていることがあるので大きな音が出ないように注意しましょう。
体を休めたい場合やその日の行動時間に余裕がある場合、ゆっくり起きても大丈夫です。
周りは気にせず自分のペースで行動しましょう。
5:00 朝食
山の朝は寒いので、温かい食事を取ると元気が出てきます。
私は起床後に山の風景を楽しみながら簡単な食事とコーヒーを飲むことが多いです。
決まったルールはないので自身に合ったタイミングを見つけてみてください。
テントのフロアやフライの結露を乾かしながら食べたり、テントを片づけてひと段落した後に食べるのもアリです。
5:30 撤収作業
設営した時と同じ手順でテントを片づけます。
まずテントを片づける前に、テントの中に何も物がないことを確認しましょう。
そして時間に余裕がある場合、フライの結露など手ぬぐいで拭き取っておくと、帰宅後の手入れが楽になります。
バックパックに荷物を入れる際、あまり荷物を散らかさないようにしましょう。
風で装備が飛ばされるリスクが大きくなります。
6:00 出発
最後に、忘れ物がないか周辺を確認します。
ペグの抜き忘れや小物類には注意しましょう。
山小屋で札などの物を預かっている場合は返却をします。
準備が整ったら出発です。
テント泊の装備
次にテント泊で必要になる装備を紹介します。
ここは以下の6つについて取り上げます。
- テント
- シュラフ(寝袋)
- スリーピングマット
- コッヘル
- バーナー
- ヘッドランプ
テント
ハイキングで使用するテントは山岳用になります。
なるべく軽量、コンパクト、耐候性に優れたものを選びたいです。
山岳用でも軽量化を優先したものや、居住性が高いものなどいろんな種類があります。
初めてテントを買うのであれば自立式ダブルウォールテントがおススメです。
自立式のテントは初心者でも簡単に設営ができます。
また、ダブルウォールテントであれば前室(テント本体とフライのスペース)があるので、雨天時でも靴を濡らさずにしまえます。
その中でもおススメはモンベルの「ステラリッジ」です。
1.5kg以下で軽量でコンパクト、耐候性は抜群でコスパが良いです。
私も一番最初に購入したテントで、5年以上使っていますがほとんどトラブルにあったことがなく、非常に信頼できるテントです。
どのテントにも共通することですが、張り方を間違えると性能が発揮されません。
設営するときは以下を気を付けてください。
シュラフ(寝袋)
夜間の山は想像以上に寒いのでシュラフ(寝袋)は必須装備です。
シュラフはダウンと化繊綿の2種類あります。
それぞれの特徴は次のようになります。
ダウン | 化繊綿 | |
---|---|---|
重さ | 軽い | 重い |
収納サイズ | コンパクト | かさばる |
濡れた時の保温性能 | なくなる | ある程度の保温ができる |
コスト | 高い | 安い |
どちらも一長一短ありますが、軽量化と収納時のサイズからダウンがおススメです。
持ち運ぶ際、ビニール袋や水を通さない袋でしっかりと防水対策しておけば濡れる心配はありません。
また、テント内の結露対策としてシュラフが壁に触れないようにしておけば、結露で濡れて保温性能が急激に落ちることはありません。
3シーズン用のダウンシュラフが1つあれば、夏の高山から春秋の低山まで幅広く活躍します。
シュラフには快適使用温度と限界使用温度が設定されてます。
快適使用温度より気温が低いと、寒くてなかなか寝ることができません。
3000m級の山では真夏でも5度近くまで下がることもあります。
快適使用温度が5度をカバーしているかがシュラフ選びのポイントになります。
スリーピングマット
スリーピングマットは、睡眠中に地面から伝わる冷気と、石などのデコボコを和らげるために使用します。
スリーピングマットには大きく分けて次の3種類あります。
フォームマット | エアマット | インフレータブルマット | |
---|---|---|---|
使い方 | そのまま使えるマット | 自分で空気を吸入する | 内蔵のウレタンのスポンジが途中まで空気を吸引する クッション性を高めるには途中から自分で空気を注入する |
重さ | 軽い | 軽い | 軽い~重い ※スポンジの厚さによる |
収納サイズ | かさばる | コンパクト | コンパクト~かさばる ※スポンジの厚さによる |
耐久性 | 高い | パンクのリスクがある | パンクのリスクがある |
コスト | 安い | 高い | 高い |
最初はパンクのリスクがなく、比較的安価なフォームマットがおススメです。
ロールタイプは切ることで長さの調節ができるので、必要最低限の長さ(例えば頭部からお尻まで)にすると装備の軽量化ができます。
折り畳みタイプはたたむと直方体になるので収納時のデッドスペースが少なくなり、持ち運びに便利です。
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コッヘル
コッヘルは調理に使用する鍋です。
主な素材としてアルミとチタンがあります。
チタン | アルミ | |
---|---|---|
重さ | 軽い | 重い |
調理しやすさ | 焦げ付きやすい | 焦げ付きにくい コーティング加工が施された 汚れにくいモデルもある |
コスト | 高い | 安い |
初心者はアルミ製のコッヘルがおススメです。
最初の内は温かい飲み物やインスタント麺などを作るのがメインになると思います。
しかし、将来的にすこし凝った調理をするかもしれません。
アルミであればそういった時にも活躍が期待できます。
またコッヘルはテントやシュラフに比べ、軽量化した時の恩恵があまり大きくありません。
お湯を沸かすだけと割り切り、チタンで軽量化するのも選択肢の一つですが、初心者はアルミの方がコスパが良いと思います。
容量は1000mlほどあれば、インスタント麺を茹でたり、ちょっとした煮炊きをするには困りません。
また、蓋がコップ代わりになるものを選ぶと食器の数を減らせるので便利です。
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バーナー
バーナーは調理するときに使う火器です。
ハイキングでは主に以下の3種類を使います。
ガス | アルコール | 固形燃料 | |
---|---|---|---|
火力 | 高い | 低い | 低い |
耐風性 | 比較的強い | 弱い | 弱い |
使いやすさ | つまみで火力調整ができる | ・火力調整が難しい ・燃焼時間が推測できるので 慣れると便利 |
・火力調整が難しい ・燃焼時間が推測できるので 慣れると便利 |
収納サイズ | ガス缶がかさばる | 必要分量だけ携帯できるので サイズダウンが可能 |
必要分量だけ携帯できるので サイズダウンが可能 |
重さ | ガス缶が重い | 必要分量だけ携帯できるので 軽量化が可能 |
必要分量だけ携帯できるので 軽量化が可能 |
ガスバーナーは使いやすくトータルバランスが優れているので初心者におススメです。
ガスバーナーを選ぶポイントは耐候性、最大火力、火力調整などいくつかあります。
SOTOの「アミカス」はエントリーモデルですが軽量、コンパクト、鉢状のバーナーヘッドよる風の影響が受けにくく、湯沸かしからちょっとした調理までこなせるコスパの良いバーナーです。
コッヘルも買う予定があるのであれば、バーナーとコッヘルがセットになった商品もあります。
ヘッドランプ
ヘッドランプは頭に装着して周りを照らす装備です。
テント泊では暗い時間帯でも行動することがあります。
ヘッドランプは両手が自由になるので足場が悪いテント場では必須装備です。
ヘッドランプはエントリーモデルのブラックダイヤモンドの「コズモ」がおススメです。
私は旧式のコズモを持っているのですが、夜明け前の撤収作業でも問題ない明るさでした。
最近のモデルは更に明るさが増し、さらに軽量・コンパクトになったのでより使いやすさがアップしています。
防水性能も高いので悪天候でも活躍します。
まとめ
少し長くなりましたが、テント泊について何となくイメージができましたか?
ハイキングは自然を楽しむレジャーです。
自然を大切にして楽しく安全にキャンプをしましょう。
- テント泊はハイキングの過程の一部
- 自然への配慮と自身の安全の両方に気を付ける
キャンプ地に到着してから翌日の出発までの流れは以下になります。
事前によく確認しておきましょう。
- 15:00 山小屋で受付
- 15:30 テント設営
- 17:00 夕食
- 20:00 就寝
- 4:45 起床
- 5:00 朝食
- 5:30 撤収作業
- 6:00 出発
テント泊に必要な装備は以下になります。
忘れ物がないように気を付けてください。
- テント
- シュラフ(寝袋)
- スリーピングマット
- コッヘル
- バーナー
- ヘッドランプ
テント泊をすると自然をより身近に感じることができます。
そして、今まで行けなかった遠くの山にも行けるようになります。
そうするとハイキングがより楽しくなります。
ぜひ、挑戦してみてください。