東海自然歩道の装備リスト|7回のセクションハイクで踏破した全装備【ロングトレイル】
「東海自然歩道を歩きたいけれど、実際にどんな装備を持っていけばいいかわからない」と悩んでいませんか。
1,000kmを超えるロングトレイルは、季節や区間によって必要な装備が大きく変わります。
装備が重すぎて体力を消耗したり、寒さ対策が足りずに野営で辛い思いをしたりといった失敗を防ぐには、実際に歩いた人の装備を参考にするのが近道です。
私は、東海自然歩道の主線をセクションハイクで踏破しました。
- 総移動距離:1,142km
- 合計日数:64日(58日+ゼロデイ6日)
- 期間:2025/03/17 〜 2026/02/01
- セクション数:7
- 宿の利用日数:11泊
- 食料補給日数:36日
この記事では、各セクションで使用した装備と、その選択の意図・実際に使ってみた感想を紹介します。
「どんな装備を持ったか」だけでなく、「なぜその装備にしたのか」もあわせて解説しています。
季節や条件が近いセクションの装備を参考にすれば、自分の旅に合った装備選びができます。
ぜひ計画の参考にしてください。
セクションごとの装備一覧

ここでは、セクションごとの装備リストを紹介します。
東海自然歩道は低山中心のため、基本的には日帰り登山の装備をベースに考えれば問題ありません。
そのうえで私は、気候や条件に応じた調整をして装備を選んでいました。
条件や季節が近いセクションから読んでみてください。
セクション1(2025年3月17日〜2025年3月28日)

東海自然歩道の最初のセクションということもあり、久しぶりの長期の歩き旅として、無理のないスタートを切りたいと考えていました。
そのため、野営地探しで慌てることがないよう、設営場所に制約の少ないシェルター+ハンモックのスタイルで様子を見ることにしました。
結果的に、野営地をあまり気にせずに行動できるこのスタイルが気に入り、その後のセクションでも継続することになりました。
【ポイント】
- 前年歩いたコロラドトレイルの装備をベースに選択
- ツェルト「ファイントラック / ツエルト2ロング
」+ハンモック「eno / Sub6
」で場所にとらわれないスタイルに挑戦
- 初春の丹沢で残雪・凍結を想定し、チェーンスパイク「ノルテック / トレイル 2.1」を携行
【評価】
- ハンモック+ツェルトタープは場所を左右しなくなり、野営地の選択肢が広がって行動しやすかった
- 最低気温が2〜3度になる日もあり、気温がまだ低い時期だった。ハンモック特有の隙間からの冷気でよく眠れない夜があり、防寒の難しさを実感した
- 久しぶりのハイキングだったので、当時の自分には少し重かった
セクション2(2025年4月29日〜2025年5月8日)

セクション1では荷物がやや重く感じたため、このセクションではできるだけ軽快に歩くことを重視したいと考えました。
また、気温も暖かく過ごしやすい時期だったため、装備を見直す余裕もありました。
そのため、軽量化を最優先に装備を見直し、バックパックや調理器具などを中心に構成を変更しています。
【ポイント】
- バックパックを20〜35Lのフレームレスバックパック「ZimmerBuilt / Pika Pack」に変更
- 野宿の際に気密性はそこまで必要ないと考え、ツェルトからタープ「トレイルバム / CT Tarp」に変更
- マイナス5度対応のキルトから使いやすい3シーズン寝袋「モンベル / Down Hugger 800 #3」に変更
- マットを使い慣れた「EVERNEW / FPmat
」に変更
- ガスバーナーから固形燃料に変更し、調理器具全体を軽量化
【評価】
- 軽量化は達成できたが、約3日間の食料と装備を詰めると容量と背負い心地が限界に感じた
- FPマットではハンモックの下からの冷えを防げなかったので、静岡の好日山荘で「サーマレスト / プロライトS
」を追加購入
- 固形燃料は火力が弱いが、軽量なので湯沸かしに限定すればかなり有効
セクション3(2025年7月19日〜2025年7月27日)

7月ということで、気温や日差し、虫への対策が必要になる時期でした。
このセクションでは、暑さをどのように乗り越えるかを考えながら装備を選びました。
その結果、通気性の高いウェアや虫対策の装備を取り入れ、これまでのセクションとは大きく異なる構成になっています。
【ポイント】
- 夏の虫対策として、ハンモックバグネット「BUSHMEN travel gear / VAGABOND Mosquito net
」を新たに追加
- 就寝用具は夏向けに超軽量化するためインナーシュラフ「モンベル / ウォームアップシーツ」+「山と道 / ミニマリストパッド」を選択
- UVカット・熱対策で日傘「Six Moon Designs / Silver Shadow Carbon
」、サンフーディ「モンベル / クール パーカ」、長ズボン「トレイルバム / スルーハイカージップオフパンツ」を採用
- 背中の通気性を確保するために背面パッド「山と道 / Breathable Pad」をバックパックの外側に装着
- 温かい食事は不要と考え、火器類は携行しなかった
【評価】
- バグネットは夏の野営に必須アイテムと実感
- ハンモックは通気性があるが、風が通らない場所では熱がこもって寝苦しかった
- ベアフットシューズは地面からの熱が伝わりやすく、舗装路区間は痛いくらい熱かった
- 「山と道 / Breathable Pad」を背中に仕込むことで風を感じて良かった
- 水が入った「CNOC / Vecto Water Container
」や濡れた手ぬぐいを首元に当てることで、暑さ対策になった
- 長袖、長ズボン、日傘が日差しや照り返しからの暑さを和らげてくれた
セクション4(2025年9月20日〜2025年9月24日)

9月は日中の暑さが残る一方で、朝晩は涼しくなるなど気温差が大きい時期です。
このセクションでは、無理に距離を伸ばすのではなく、変化する気候の中でのんびり歩く旅にしたいと考えました。
さらに雨の予報もあったため、暑さ・寒さ・濡れといった変化に対応できる装備を意識して選んでいます。
【ポイント】
- セクション3の夏装備をベースに、シュラフを保温力と濡れに強い化繊キルト「ENLIGHTENED EQUIPMENT / Revelation APEX 50°F」を選択
- スケジュールの都合上、帰宅前に行動着を洗濯できないので、着替えを用意。雨でずぶ濡れになった際の保険としても使用できるようにした。
【評価】
- 化繊キルトは丁度良い保温力で快適で、小雨や湿気にも強くて安心感があった
- バーナー類を持ってこなかったので、少し温かい食事が食べたい場面もあった
- まだ虫が多くいたためバグネットが役に立った
セクション5(2025年11月1日〜2025年11月15日)

11月は気温が下がり、行動しやすい気候になるため、歩くこと自体を楽しみたいと考えていました。
このセクションでは、無理に軽量化に振り切るのではなく、快適に歩き続けられるバランスの良い装備を意識しています。
そのため、秋冬仕様に切り替えつつも、過剰な装備は持たず、全体のバランスを整える構成にしています。
【ポイント】
- バックパックを「MIYAGEN / CREST 40」に戻し、増えた秋装備を収納
- 寝袋をダウンキルト「ENLIGHTENED EQUIPMENT / Revelation 850 20°F Down」に戻し、本格的な寒さへの備えを強化
- 調理器具をガスバーナー「MSR / Pocket Rocket2
」に戻し、信頼性と火力を確保
- 保温着としてアクティブインサレーションの「Highland Designs / Adapta Light Hoodie」「STATIC / ADRIFT PANTS」を採用
【評価】
- アクティブインサレーション「Adapta Light Hoodie」は行動・就寝兼で使い勝手が良かった
- 「ADRIFT PANTS」は行動着として使わなかったが、就寝時の保温着として非常に暖かかった
- ハンモックをアンダーキルト、自立膨張式マットを掛け布団のようにして気温3度前後でも寝ることができた。ただしあまり快適ではなく、より寒い時期にはトップキルトの必要性を実感した
セクション6(2025年12月28日〜2026年1月2日)

年末年始のセクションということもあり、せかせか歩くのではなく、ゆったりと過ごす旅にしたいと考えました。
特に夜の時間を寒さで辛いものにしたくなかったため、行動中だけでなく就寝時の快適さも重視しています。
そのため、防寒性能を高めた装備構成とし、真冬の環境でも無理なく過ごせるようにしています。
【ポイント】
- シェルターをタープからツェルト「ファイントラック ツエルト2ロング」に戻し、密閉性で防寒性を向上
- 就寝用具はキルト2枚使いで保温力を強化:「ENLIGHTENED EQUIPMENT / Revelation 850 20°F Down」をアンダーキルト兼メインキルト、「ENLIGHTENED EQUIPMENT / Revelation APEX 50°F」をトップキルト兼シュラフカバー
- 翌朝すぐに温かい飲み物を飲むことを目的に、「モンベル / チタン アルパインサーモボトル 0.5L」を携行
- 保温着は「ENLIGHTENED EQUIPMENT / Torrid Pullover」で防寒を強化
【評価】
- キルト2枚使いのハンモック泊は快適だった
- ツェルトと二重キルトはマイナス5度でも快適に眠れる保温力。ただしオーバースペック気味で暑くて目が覚めることも
- 保温ボトルは非常に満足度が高かった。翌朝には少し冷めて熱々ではなくなるが、すぐに暖かい飲み物が飲めて非常に幸せだった
- 真冬の比叡山で氷点下以下の環境でも、保温着が暖かくて非常に助かった
セクション7(2026年1月26日〜2026年2月1日)

ラストセクションは寒波の影響もあり、積雪や路面の凍結が想定される状況でした。
そのため、セクション6の構成をベースにしつつ、積雪・凍結への対策を加えた装備に調整しています。
全セクションの中で最も荷物は重くなりましたが、1日の行動距離を抑えていたため、大きな負担にはなりませんでした。
【ポイント】
- チェーンスパイク「ノルテック / トレイル 2.1」を携行
- 保温や濡れ対策でレイングローブを追加
- 雪の侵入防止のためゲイターを追加
【評価】
- 気温0度前後でも、2つのキルト+保温着の組み合わせでハンモック泊は問題なし
- 結果的に危険箇所が少なく、チェーンスパイクやレイングローブ、ゲイターの出番が少なかった
実際に使って特に役立った装備【カテゴリ別】

東海自然歩道では、セクションごとに装備を調整しながら歩いてきました。
その中でも、複数のセクションで活躍したり、使い勝手の良さを実感した装備を紹介します。
運搬用具

MIYAGEN / CREST 40
セクション1、5〜7で使用。背負心地も良く、非常にタフなバックパックです。
冬装備など荷物が増えるセクションでは、容量のゆとりが安心感につながりました。セクションの終わりにお土産を買っても収納できるくらいの余力があります。

Zimmer Built / Pika Pack
セクション2〜4で使用。わずか340gのフレームレスバックパックで、荷物が少ない時期に最適でした。
限界まで容量を拡張するとす約2〜3日分の食料も余裕で入ります。ただ、パンパンに詰め込むと背負心地が悪くなるので、注意が必要です。

山と道 / Breathable Pad
バックパックの外にガイラインで固定し、背中に熱がこもらないようにしました。
劇的に改善されるわけではないですが、風が吹くと適度に熱が抜けて気持ちよかったです。
べんぞー
ただ、メーカー側が想定しない使い方をしたからか、繊維がちぎれるのが気になりました。
ちなみに、同様の用途に特化した背中の蒸れを防ぐグッズもいくつかあります。
暑い時期に歩く予定で背中の蒸れが気になる方は、このような商品も検討すると良いかもしれません。
就寝用具

eno / Sub6 + eno / Helions Suspension System
全セクション通じて、ハンモック泊はやりやすかったです。樹木があれば平地が不要なため、里山歩きが多い東海自然歩道では非常に活躍しました。
べんぞー
ハンモック泊は合計23泊しました。

ファイントラック / ツエルト2ロング
セクション1、6、7で使用。うまく設営するには慣れが必要ですが、シングルウォールのような張り方だけでなく、フロアレスシェルターやタープのように使える汎用性の高さが魅力です。
飲食用具

モンベル / チタン アルパインサーモボトル 0.5L(保温ボトル)
セクション6、7で使用。前夜に沸かしたお湯をキープしておくことで、極寒の朝でも温かい飲み物がすぐに用意できます。
通常モデルより軽い分、保温性が落ちていますが、東海自然歩道のような里山歩きがメインであれば十分に実用範囲内でした。
KATADYN / BeFree(浄水器)
全セクション通じて使用。東海自然歩道は湧き水や沢など水場が多くあるので、飲水を現地調達することで行動中の荷物を軽くできます。
このBeFreeは浄水のスピードが非常に早いのが気に入っています。
CNOC / Vecto Water Container(ウォーターキャリー)
全セクション通じて使用。折りたたみ式で軽量、大容量、丈夫で使い勝手が良いです。膨らますことで枕として使えますし、形が変わるので真夏などに首元に当てて体を冷やすのにも使えました。
衣類

Highland Designs / Adapta Light Hoodie
適度に保温してくれて、通気性が良いので換気をすればオーバーヒートを防いでくれる、絶妙な使いやすさでした。
バラクラバフードは取り外しが可能なので、シチュエーションによって使い分ける事ができるのも良かったです。
ENLIGHTENED EQUIPMENT / Rain Wrap
セクション1〜7で使用。下半身をちょっとした雨から守ったり、寒い時期の動き出しでまだ体が温まっていないときの保温に使えたりと活躍しました。
脱着が楽なので、行動の妨げにならないので地味に出番が多かったです。
サポート用具

トレケンブックス / データブック
基本的には計画時に使用する資料ですが、私はトレイルにも持っていきました。休憩中に次の補給ポイントを確認したり、周辺情報を調べたりするのに便利でした。

ヒル下がりのジョニー
装備リストには記載していませんが、セクション3〜5で使用しました。場所にもよりますが、気温が暖かいとヤマビルの大群が出ます。あらかじめ靴に吹きかけることでヒルの動きが鈍くなるので、血を吸われる前に追い払うことができます。
ヒルに吸われるのが気になる場合は用意するのがオススメです。
行動着

トレイルバム / スルーハイカージップオフパンツ
セクション3〜7で使用。ハーフパンツとロングパンツを切り替えることができるので、渡渉や気温変化に対応できるのが良かったです。
私はハーフパンツで歩くのが好きなのですが、草が茂っている場所ではロングパンツにして、マダニやヤマビルの侵入を防ぐのにも活躍しました。
まとめ:目的に合った装備で東海自然歩道を楽しもう
東海自然歩道をセクションハイクで踏破した際の装備を紹介しました。
東海自然歩道は低山中心のため、基本的には日帰り登山の装備をベースに考えれば問題ありません。
そのうえで、「どんな旅にしたいか」に応じて装備を調整していくのがポイントです。
べんぞー
私は7つのセクションを歩くなかで、それぞれの区間ごとに旅のイメージを持ち、それに合わせて装備を選んできました。
装備は「何を持つか」だけでなく、「どう歩きたいか」を考えることで、旅がより楽しめると思います。
ぜひ自分なりのスタイルで、東海自然歩道を楽しんでみてください。
東海自然歩道の計画については、以下の記事も参考にしてください。
踏破データや計画のポイントを紹介しています。



