登山のテント泊をする際、スリーピングマットは重要な装備の一つです。
スリーピングマットは様々な種類があり、快適性、重量、携帯性、耐久性がトレードオフの関係にあるので、何を優先するか悩みますよね?
そんな中、軽量・コンパクトで故障リスク低いエバニュー「FPマット」の使い勝手が気になる人はいるのではないでしょうか?
- 寝心地はどうなんだろう
- 床びえしないか心配
私はFPマットをアメリカのロングトレイル「パシフィック・クレスト・トレイル(以下略、PCT)」で使用して100泊以上しました。
この記事では、エバニュー「FPマット」の良い点、イマイチな点を紹介します。
FP125を一言で表すと、タフな人向けの極薄軽量スリーピングマットです。
べんぞー
寝心地よりも荷物の軽量化を優先したい人にはおすすめだよ。
エバニュー「FPマット」のことをもっと詳しく知りたい人はぜひ最後まで読んでください。
目次
エバニュー「FPマット」とは?丈夫で軽量な超薄型のクローズドセルマット
エバニュー「FPマット」について簡単に紹介します。
エバニュー「FPマット」のスペック
エバニュー「FPマット」は最低限の厚みのあるマットがほしい、というリクエストに応じて開発されたクローズドセルマットです。
FPマットは5mmの薄さと、他のマットに比べて硬く強い反発力が特徴です。
FPマットのスペックは以下になります。
ブランド | エバニュー(EVERNEW) |
---|---|
商品名 | FP mat 100、FP mat 125 |
重さ | 160g(FP mat 100) 200g(FP mat 125) |
サイズ | 100cm x 50cm x 0.5cm(FP mat 100) 125cm x 50cm x 0.5cm(FP mat 125) |
収納方法 | 折りたたみ |
収納サイズ | 25cm x 50cm x 2cm(FP mat 100) 25cm x 50cm x 2.5cm(FP mat 125) |
素材 | ポリエチレン |
スリーピングマットの種類
スリーピングマットの種類について簡単に紹介します。
スリーピングマットには大まかに以下の2種類あり、それぞれ異なる特徴があります。
- エアーマット:空気を入れて膨らませるマット
- クローズドセルマット:広げて敷くだけで使えるマット
FPマットはクローズドセルマットに分類されますが、他のクローズドセルマットとは異なり、独自の特性を持っています。
エアーマット、一般的なクローズドセルマット、FPマット、それぞれの特徴は以下の通りです。
エアーマット | 一般的なクローズドセルマット | FPマット | |
---|---|---|---|
快適性 | ◯(ふわふわ) | △(厚さによる) | ✕(クッション性能が低い) |
重量 | △(170g〜) | ◯(53g〜) | ◯(160g〜200g) |
携帯性 | ◯(約1Lペットボトルのサイズ) | ✕(バックパックの外付け収納が多い) | ◯(折りたたみ収納、背面パッドに代用可) |
耐久性 | △(パンクのリスクあり) | ◯(素材によるが基本的に丈夫) | ◎(5ヶ月以上の使用実績あり) |
使いやすさ | ✕(使うために空気の入れ抜きが必要) | ◯(すぐに使える) | ◯(すぐに使える) |
価格 | ✕(1万円〜) | ◯(数千円〜1万円) | ◯(3,500円前後) |
FPマットが向いている人、向いてない人
FPマットは他のスリーピングマットに比べて、独特な性能をしているため、好みが大きく分かれます。
FPマットが向いている人と向いていない人は以下の通りです。
【FPマットが向いている人】
- タフな環境でも酷使できるマットを探している人
- マットとして最低限の性能があれば問題ない人
- 荷物を軽量化・コンパクトにしたい人
【FPマットが向いていない人】
- 睡眠の質にこだわる人
エバニュー「FPマット」の良い点
エバニュー「FPマット」の良い点を紹介します。
FPマットの良い点は以下の通りです。
- 耐久性が高い
- 薄い
- 軽い
- 汎用性が高い
- 安い
順番に解説していきます。
耐久性が高い:故障リスクがなく、気兼ねなく使えてる安心感
FPマットは耐久性が高く、壊れる心配がありません。
絶妙な発泡倍率により、削れたり、破れたり、穴が開きに対して強いです。
PCTで5ヶ月間使用しましたが、トラブルは全くありませんでした。
べんぞー
よく休憩するときに、地面に直接敷いたけど全く問題なかったよ。
歩き疲れていると注意散漫になり、不注意で装備品を傷つけることもあります。
PFマットはクローズドセルマットなので、もともと故障リスクは低いですが、疲れた状態でも気を遣わずに使える非常に使い勝手が良いマットでした。
薄い:荷物がスッキリする
FPマットは厚さ5mmと非常に薄いので、バックパックの中に収納できます。
収納方法は折りたたみ式で、収納時のサイズは以下の通りです。
- FPマット100:25cm x 50cm x 2cm
- FPマット125:25cm x 50cm x 2.5cm
バックパックに収納できるサイズ感なので、バックパックの外に取り付ける必要はありません。
バックパックの外側に取り付けるとカッコよく見えますが、マットが岩や木、枝などに引っかかり、マットがボロボロになるだけでなく、バランスを崩して転倒するリスクがあります。
バックパックの中にスッキリ収納できるのはFPマットの利点です。
軽い:荷物の軽量化ができる
FPマットは重さ160g〜200gと軽量なスリーピングマットなので、装備の軽量化に貢献できます。
スリーピングマットは素材やサイズによって重さが大きく異なりますが、FPマットは最軽量クラスです。
荷物を軽量化することのメリットは以下の通りです。
- 体への負荷が減るので、歩ける距離が長くなる
- 疲れにくくなるので、より楽しく歩けるようになる
- 軽くなった分、他の装備を充実させることができる
べんぞー
長距離歩くロングトレイルは、軽い装備のメリットは大きいよ。。
汎用性が高い:バックパックの背面パッドの代わりに使える
FPマットは汎用性が高く、スリーピングマットとしてだけでなくバックパックの背面パッドとして使えます。
ULバックパックは軽量化のため、フレームレスの場合が多いですが、うまくパッキングができないと、装備が背中に当たりゴツゴツとした背負い心地になります。
べんぞー
フレームレスバックパックはパッキングにコツが必要だよ。
FPマットをバックパックの背面部分に収納して、背面パッドとして使うことで、荷物を増やさずに背負い心地を向上できます。
1つの装備に複数の役割をもたせるのは軽量化のポイントです。
また、フレームレスバックパックではないですが、ゴッサマーギア「マリポサ 60」などの背面パッドを交換できのバックパックとFPマットは相性が良いです。
背面パッドにFPマットを忍ばせておけば、いざという時のサブのマットとして役立ちます。
安い:価格が安くて経済的
FPマットはスリーピングマットは3,500円前後とお財布に優しいのも魅力です。
エアーマットだと1万円以上、クローズドセルマットでも5,000円以上しますが、FPマットはなんと3,000円台で手に入ります。
その上、耐久性が高く、長期間使えるのでコストパフォーマンスも高いです。
べんぞー
もし買い替えることがあっても買いやすい値段なのは嬉しいね。
エバニュー「FPマット」のイマイチな点
エバニュー「FPマット」は尖った性能のスリーピングマットなので、使っていると不満を感じる場面もあります。
PFマットのイマイチな点は以下の通りです。
以下の内容を許容できるのであれば、FPマットは有力な選択肢になります。
- クッション性が低い
- 寒い時期は床冷えする
- 最軽量ではない
- 静電気が発生する
それでは順番に解説します。
クッション性が低い:寝心地に影響する可能性あり
FPマットはクッション性が低いので一部の人にとっては寝心地は良くないと感じるかもしれません。
FPマットは薄くて硬く独特の反発感があり、砂利など細かい石である地面などではゴツゴツ感をなくす性能はあります。
べんぞー
FPマットの寝心地は畳の上でごろ寝してる感覚に近いよ。
しかし、クッション性が不足しているので、エアーマットや厚みのあるクローズドセルマットのような柔らかさはありません。
フカフカしたマットに慣れている人は、寝づらく感じるかもしれません。
床冷え:気温が低いと床から冷気が伝わる
FPマットは気温が低いと床冷えを感じます。
ほのかな暖かさはありますが、断熱効果はそれほど高くありません。
暖かい季節であれば気になりませんが、気温が低くなると床冷えを感じやすくなります。
べんぞー
テントや寝袋など他の装備との組み合わせにもよるけど、特に冷え込む朝は寒さを感じることがあったよ。
最軽量ではない:他にもっと軽いマットがある
FPマットは最軽量クラスのマットですが、さらに軽いマットがあります。
以下の表から分かる通り、軽量さを重視するなら山と道の「Minimalist Pad」や「UL Pad15+(S)」が選択肢に挙がります。
山と道「Minimalist Pad」 | 山と道「UL Pad15+(S)」 | エバニュー「FPマット100」 | |
---|---|---|---|
重量 | 53g | 113g | 160g |
サイズ | 100cm x 50cm x 0.5cm | 100cm x 50cm x 1.3cm | 100cm x 50cm x 0.5cm |
ですが、マットは使用する環境に合わせて選ぶのが大切です。
よりタフはマットが必要な場合は、耐久性が優れているFPマットがおすすめです。
静電気:バックパックから取り出す時に静電気が発生しやすい
FPマットはバックパックから取り出すときに静電気が発生することがあります。
荷物が入った状態で、FPマットを取り出そうとすると、バックパックや他の装備と擦れてFPマットが帯電します。
静電気による大きな問題はありませんが、あえて不満を挙げるとしたら以下の通りです。
- ホコリが付きやすい
- バチッと痛い思いをする可能性がある
べんぞー
痛いのはイヤだけど、まだバチッときたことがないからあまり気にせず使っているよ。
エバニュー「FPマット」をロングトレイルで使った感想
PCTスルーハイクでFPマットを5ヶ月の間使った感想は「刺さる人には刺さる、高耐久な極薄マット」という印象です。
FPマットの最大の魅力はその耐久性にあります。
数ヶ月以上にも及ぶ過酷なロングトレイルでは、多くの装備が故障しますが、FPマットはその中で頼りになる存在でした。
非常に耐久性が高いのでPCTの最初から最後まで全く問題なく使えました。
なにより、どんな状況でも状態でも気を使わず使えるのは大きな利点でした。
べんぞー
壊れにくいという安心感は偉大だね。
一方、クッション性が低いので、しっかり寝ても疲れを完全にとることが難しかったです。
PCTでは30〜40kmほどの距離を毎日歩くので、質の良い睡眠が重要です。
1日に歩く距離がとてつもなく長いので、他のマットを使っても完全に疲れを取ることは難しいかもしれないですが、睡眠の質を上げるにはもう少し厚いマットを使ったほうが良かったと感じています。
べんぞー
寝る時は歩き疲れてるのですぐに寝付けたけど、疲れは翌朝も残っていることが多かったな。
数ヶ月にもわたるロングトレイルでは耐久性、寝心地、重量のバランスが大切です。
FPマットは万人受けするマットではありませんが、積極的に地面にマットを敷きたい人や、マットとして最低限の性能でも寝れるタフな人にとっては最適なマットと言えます。
べんぞー
FPマットは極端な性能だけど、使ってみるといがとイケてるマットだよ。
まとめ:エバニュー「FPマット」はタフな人向けの薄い・軽い・丈夫のマット
エバニュー「FPマット」の良い点、イマイチな点について紹介しました 。
FPマットは丈夫で軽い極薄マットです。
その極端な性能から、向き不向きがはっきりしているので以下を参考にしてください。
【FPマットが向いている人】
- タフな環境でも酷使できるマットを探している人
- マットとして最低限の性能があれば問題ない人
- 荷物を軽量化・コンパクトにしたい人
【FPマットが向いていない人】
- 睡眠の質にこだわる人
快適性より丈夫なマットや荷物の軽量化を優先したい人にピッタリなマットです。
イマイチな点を理解したにも関わらず、まだFPマットが気になっている人は、思い切って試してください。
自身がFPマットに適応できるかは、実際に使ってみないとわかりません。
べんぞー
使いづらいと思ったら、短く切ってサブのマットや座布団マット、バックパックの背面パッドなどに活用すれば無駄にならないよ。
以上、FPマットの購入を検討している人の参考になったら嬉しいです。