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【ソロハイク入門】レベルに合った山に登ろう!山の選び方について

山の選び方について
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「ハイキングに行きたいけどどこの山が自分に適しているか分からない」、「ソロハイクしたいけどどんな山がいいのかな?」と山の選び方で困ったことはないでしょうか?

そのような方は、山のグレーディングを活用しましょう。
山のグレーディングとは山に登る際に必要な体力や登山道の難易度を評価したものです。
まずは過去に登ったことのある山がどれくらいの難易度に位置しているかを確認して自分のハイキングのレベルを把握しましょう。
そうすると、自分のレベルと見合った山を選びやすくなります。

本記事では以下について紹介します。

  • 山のグレーディングとは
  • 山のグレーディングの見方
  • 気になる山がグレーディングにない場合
  • ソロハイクの山選びで気を付けるポイント

自分のレベルに見合った山の選択ができるようになると、安全にハイキングできるようになります。
ぜひ、参考にして見てください。

山のグレーディングとは

山のグレーディングとは登山の難易度の指標です。
各都道府県や自治体がグレーディングを公表しており、それぞれ同一基準で評価しています。

山のグレーディングは遭難件数の増加に対する防止策として策定されました。
インターネットの普及による「山の怖さを知らない初心者」や、長いブランクがあった「体力の低下を意識しない中高年者」が遭難事故の増加に一因となっていることから、ハイカーが「自分の力量にあった山選び」をするための情報として提供されています。

2022年1月24日時点では以下の都道府県からグレーディングが公表されています。

山のグレーディングの見方

虫眼鏡

次にグレーディングの使い方についてです。
グレーディングは「体力度」「技術的難易度」の2つの軸で評価されています。
これらを説明した後に、山のグレーディングを使った山の選び方の一例を紹介します。

体力度

体力度はルートを歩くために必要な体力を示しています。
10段階のグレードで区分されており、数値が大きくなると体力が必要になります。
ロープウェイを使うような日帰りハイクから2~3泊以上必要な縦走など幅広く設定されています。

各グレードは以下のようになっています。

体力度 ルート定数 説明
1 10以下 日帰りが可能
2 10を超え20以下
3 20を超え30以下
4 30を超え40以下 1泊以上が適当
5 40を超え50以下
6 50を超え60以下 1 – 2泊以上が適当
7 60を超え70以下
8 70を超え80以下 2 – 3泊以上が適当
9 80を超え90以下
10 90を超える

なお、山のグレーディングの体力度は自分で計算することができます。
以下の式でルート係数を求め(小数は切り上げ)、その値を上表に当てはると体力度がわかります。

ルート係数 = 標準コースタイム(時間)×1.8+ルート全長 (km) ×0.3+累積登り標高差 (km) ×10.0+累積下り標高差 (km) ×0.6

技術難易度

技術的難易度はルートの難しさを示しています。
5段階のグレードで区分されており、「A」が最も難易度が低く、「E」が一番難易度が高いです。
技術的難易度は以下の2項目で評価されます。

  • 登山道の状況:整備の状況や急登、厳しい岩稜、転落・滑落の危険箇所の有無など
  • 求められる能力・技術:地図読み能力、岩場、雪渓を安定して通過できるバランス能力や技術が必要かなど

各グレードは以下のようになっています。

技術的
難易度
登山道の状況
登山者に求められる技術・能力
A
  • 概ね整備済
  • 転んだ場合でも転落・滑落の可能性は低い
  • 道迷いの心配は少ない
  • 登山の装備が必要
B
  • 沢、崖、場所により雪渓などを通過
  • 急な登下降がある
  • 道が分かりにくい所がある
  • 転んだ場合に転落・滑落事故につながる場所がある
  • 登山経験が必要
  • 地図読み能力があることが望ましい
C
  • ハシゴ・くさり場、また、場所により雪渓や渡渉箇所がある
  • ミスをすると転落・滑落などの事故となる場所がある
  • 案内標識が不十分な箇所も含まれる
  • 地図読み能力、ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力が必要
D
  • 厳しい岩稜や不安定なガレ場、ハシゴ・くさり場、藪漕ぎを必要とする箇所、場所により雪渓や渡渉箇所がある
  • 手を使う急な登下降がある
  • ハシゴ・くさり場や案内標識などの人工的な補助は限定的で、転落・滑落の危険個所が多い
  • 地図読み能力、岩場、雪渓を安定して通過できるバランス能力や技術が必要
  • ルートファインディングの技術が必要
E
  • 緊張を強いられる厳しい岩稜の登下降が続き、転落・滑落の危険個所が連続する
  • 深い藪漕ぎを必要とする箇所が連続する場合がある
  • 地図読み能力、岩場、雪渓を安定して通過できるバランス能力や技術が必要
  • ルートファインディングの技術、高度な判断力が必要
  • 登山者によってはロープを使わないと危険な箇所もある

山のグレーディングを使った山の選び方

次にグレーディングを使った山の選び方です。
以下は長野県のグレーディング表になります。

山のグレーディングの例出典: 「信州 山のグレーディング」について

長野県の山を対象にしていますが、首都圏の人に馴染みがある高尾山(表の右下)が参考として載っています。
ここでは「高尾山よりもう少し難易度が高い山に挑戦する」という想定で山を選んでいきます。

グレーディング表によると「高尾山(表参道)」は体力度「2」技術的難易度「A」に位置しています。
これは日帰りが可能で、登山道は概ね整備されており、転んでも転落・滑落する可能性は低いルートとされています。

次に長野県の山で次に登れそうな山は以下のように選択できます。

山のグレーディングの説明図
  • 案1:体力に余裕があったので体力度を「2」→「3」に上げる。
    • 例:「周霧ヶ峰(八島湿原)<鷲ヶ峰→蝶々深山・車山肩>」
  • 案2:道迷いや技術面などに問題なく歩けたので技術的難易度を「A」→「B」に上げる。
    • 例:「白馬乗鞍岳(栂池)」
  • 案3:体力、技術どちらも余裕があったので体力度を「2」→「3」、技術的難易度を「A」→「B」に上げる。
    • 例:「金峰山(廻り目平)」

ここのポイントは少しずつレベルを上げることです。
必ずしも1段階ずつレベルを上げる必要はありませんが、いきなりグレードがかけ離れたルートに挑戦するのはNGです。
体力が途中でなくてバテたり、岩場などで安全なルートが分からずに身動きが取れなくなるなど様々なリスクがあります。
特にソロハイクの場合は山中のリスクが高いので慎重に山選びをしないといけません。
しっかりと、自分のレベルを把握して少しずつステップアップしていきましょう。

ただし、パーティであれば多少の高いグレードの山を選んでもメンバーがサポートすることで体力面・技術面の課題を乗り越える場合があります。
その際はしっかりとメンバー間で相談、計画をして安全に配慮してください。

気になる山がグレーディングにない場合

地域によってはグレーディングされていない山があります。
こういった場合は登山地図や書籍、インターネットなどでルートの情報を調べる必要があります。

私は「山と高原地図」「YAMAP」をベースにし、もっと情報がほしい場合は他の地図、書籍、webサイトなどを調べます。
これらにはコースタイムやルート全長、各サービスが設定した難易度などの情報が載っているのでそれを参考にして決めます。

なお、グレーディングされてるされていないに関わらずハイキングの計画をする際にルートの調査は必要な作業なのでしっかり行いましょう。

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ソロハイクの山選びで気を付けるポイント

青空と稜線

ソロハイクの山選びで気を付けるポイントについて紹介します。
ひとりで行動する場合でも少しでもリスクを下げる工夫が大切になります。
ソロに慣れていないうちは以下に注意するとよいです。

  • 自分にとってルートを選ぶ
  • 人気のルートを選ぶ
  • 登山口にアクセスしやすいルートを選ぶ

自分にとって簡単なルートを選ぶ

山を楽しむのも大切ですが、まずは安全が第一です。

ソロで行動する場合は安全性を確保するために自分のレベルに合った山、もしくはグレーディングが低い山を選ぶのが良いです。
自分のレベルより難易度が高い山を挑戦する際は、余裕のある計画を立てて少しずつステップアップするようにしましょう。

人気のルートを選ぶ

人気ルートを選ぶことで安心してハイキングすることができます。

もしアクシデントが起きても人気ルートであれば周りに人がいる可能性が高いのでリスクが低くなります。
また、そもそも人気ルートは比較的登山道が整備されているので歩きやすかったり道迷いの危険が少ないです
各都道府県が公表している山のグレーディングに載っているルートであれば大体人気な山がおおいのでそこから選ぶのも良いと思います。

登山口にアクセスしやすいルートを選ぶ

ハイキングに集中するするためになるべくアクセスしやすいルートを選ぶとよいです。

単独行動はただでさえ注意することが多いので、慣れないうちは余計なことに意識を割きたくありません。
公共交通機関を使うのであれば乗り換えが多いと登る前に疲れるかもしれません。
また、帰りの電車・バスの時間の便数が少ないと時間を気にしてしまい注意不足でケガをしてしまうかもしれません。
なるべく便数が多く、あまり乗り継ぎがいらないでアクセスできるルートを選び、不安要素や余計な心配事をなくすことがおススメです。

ただ、移動も旅の醍醐味で慣れてくると乗り遅れなども割り切って楽しむこともできます。
もし、アクセスしにくいルートに行く際は十分に時間の余裕を持たせるとよいです。

注意点

霧で視界が悪いトレイル

自分のレベルに合った山やグレーディングの低い山だからと言って油断してはいけません。

山の天気は変わりやすいので、急な雨や霧でルートがわかりにくくなったり、風が強くなると滑落の危険が高まります。
また、当日は天気が良くても前日に雨が降っていた場合は登山道が安定していないこともあります。
そうなると登山道の難易度は上がります。

また、寝不足や体調不良では体のパフォーマンスが出ません。
こういった状況だとすぐにバテたり、注意力が散漫して思わぬケガをするかもしれません。

天候や体調など万全な態勢でハイキングに臨みましょう。

まとめ

この記事では山のグレーディングについてと山の選び方を紹介しました。
山のグレーディングを活用して自分のレベルに合った山を選んでハイキングを楽しんでください。