シックスムーンデザインズ(Six Moon Designs)「ルナーソロ(Lunar Solo)」は洗練されたデザインで人気のULテントです。
「実際の使い勝手はどうなんだろう?」と気になっている人は多いのではないでしょうか。
- 雨や強風などの悪天候にも耐えられるか心配
- どうやって設営するのか想像できない、、、
- なんだか寒そうだし、快適に寝れるのかな?
ルナーソロはシングルウォールの非自立式のULテントです。
テントの特徴を理解しないまま購入してしまうと、テントの魅力を感じられずに散々な思いをするかもしれません。
私はルナーソロを100回以上使いました。
ルナーソロを使い込んでわかった、ルナーソロの良かった点・気になる点について紹介します。
べんぞー
ルナーソロはアメリカのロングトレイル「PCT」を歩いた時にたくさん使いました。大自然を満喫した楽しい時間や、強風で何度もテントが倒壊するなど苦い経験もたくさんしたよ。
この記事を読めば、ルナーソロの特徴を知ることができます。
結論から言いますと、ルナーソロは軽さ・設営のしやすさ・居住性の良さのバランスが優れた超定番ULテントです。
状況を見誤らなければ、誰でも快適に過ごすことができます。
特に、ルナーソロがおすすめな人は以下の通りです。
- 1kg以下のULテントを探している人
- 自然をよりダイレクトに感じたい人
- ワンポールテントデビューで失敗したくない人
一方、ルナーソロを使うのに向いていない人は以下の通りです。
- どんな環境でも設営できる便利なテントを探してる人
- 厳しい環境でも安心できるテントを探している人
- 自分でメンテナンスをするのが面倒と感じる人
シックスムーンデザインズ「ルナーソロ」が気になっている方は最後まで読んでください。
目次
シックスムーンデザインズ「ルナーソロ」について
シックスムーンデザインズ「ルナーソロ(Lunar Solo)」の基本的な情報について紹介します。
シックスムーンデザインズ(Six Moon Designs)はアメリカの超有名ガレージブランド
シックスムーンデザインズ(Six Moon Designs)はアメリカのオレゴン州ポートランドに拠点を置くガレージブランドです。
べんぞー
ガレージブランドとは小規模でプロダクトを作っているアウトドアメーカーのこと。家のガレージなどで製品を制作しているのが由来だよ。
シックスムーンデザインズは創業者がロングトレイルの経験から、軽量かつ機能的なアウトドアギアの必要性を感じ、それに応える形で様々な装備を制作・販売しています。
アメリカにはハイキング関連のガレージブランドが多く存在しますが、シックスムーンデザインズは2002年からテントを発売している歴史が長いガレージブランドです。
その実績から、多くのハイカーがシックスムーンデザインズを支持しています。
ルナーソロ(Lunar Solo)のスペック
ルナーソロ(Lunar Solo)は軽さ・設営のしやすさ・居住性のバランスが優れたワンポールテントになります。
痒いところに手が届くような作りなので、ドーム型から初めてのワンポールテントに買い換えようと考えている人におすすめです。
ブランド | シックスムーンデザインズ(Six Moon Designs) |
---|---|
商品名 | ルナーソロ(Lunar Solo) |
定員 | 1人(1.5) |
サイズ | 下記イラスト参照 |
カラー | ・グレー ・グリーン |
重量 | ・グレー:690g ・グリーン:720g |
素材 | ・フライ:20D Silicone Coated Polyester ・フロア:40D Silicone Coated Polyester ・ネット:20D No-see-Um |
備考 | ・縫い目は防水加工されていません。 ・ポール、ペグは付属されていません。 |
ルナーソロ(Lunar Solo)の良かった点 8選
シックスムーンデザインズ「ルナーソロ(Lunar Solo)」はハイキングを楽しくしてくれる多くの要素があります。
ここでは、ルナーソロで100泊以上して感じた良かった点について紹介します。
軽量・コンパクト:体への負荷が少ない
ルナーソロは軽量・コンパクトなので、バックパックに収納して持ち歩いている時の体への負荷が少ないです。
一般的な山岳テントは1kg以上ありますが、ルナーソロの本体重量は約700gなので、なんと約300gの軽量化ができます。
- 一般的な山岳テント:1kg以上
- ルナーソロ:約700g
装備の軽量化をする場合、テントなどインパクトの大きい装備から置き換えた方が効率的です。
べんぞー
細かい装備で同じように置き換えをしても20〜30gの軽量ができる程度。軽量化するなら重い装備から考えよう。
さらに、ルナーソロは薄くて丈夫な素材を使っているので、非常にコンパクトになります。
入れて押し潰せば4Lほどのスタッフサックに収まるので、バックパックするのも楽です。
居住空間が広い:キャンプ地で快適に過ごせる
ルナーソロは居住空間が広いのでキャンプ地で快適に過ごすことができます。
- 地上高が最高地点で122cm
- 大人1人と荷物をテント内に置けるくらいのフロア面積
テント内を広々と使えるのでリラックスして休息できます。
フロアは四角形ではなく台形で、奥行きの最大箇所は122cmあるので思っているより広く感じます。
設営が簡単:疲れた時もストレスなく設営できる
ルナーソロは慣れてしまえば、数分で設営することができるくらいとても簡単です。
クタクタになった状態でキャンプ地についても、サッと設営してすぐに寝転ぶことができます。
キャンプ地でのんびりする時間を多く確保できるのは嬉しいポイントです。
ルナーソロの設営方法
設営の大まかな手順は以下の通りです。
【必要なもの】
【設営手順】
- 両端(2箇所)をペグダウン
- 後方(1箇所)をペグダウン
- ポールを立てる
- 前方(1箇所)をペグダウン
- 斜め後ろ(2箇所)ペグダウン
- 各ガイラインをテンショニングして完成
解説付きの動画があるので参考にしてください。
自然が近い:ダイレクトに自然を楽しめる
ルナーソロはまるで外で寝泊まりをしているような感覚を楽しめます。
シングルウォールテントで屋根とフロアの間がメッシュになっているので、外との隔たりがあまりない構造になってます。
その隙間から川のせせらぎ、風の音や動物たちの生活音を聞きながらテントの中でのんびりする時間は最高です。
体を横にするとその隙間から外の様子も少しだけ見えるので、自然の中で寝ているような感覚も味わえます。
通気性が良い:暑い時も快適
ルナーソロは通気性が優れているので夏場も快適に過ごすことができます。
- 上部のベンチレーションが大きい
- フライとフロアがメッシュになっているので、テント内が完全に密封されていない
- 全面のフライを全開にすることでさらに開放感を出せる
日差しが強い真夏のテントサイトでも、テント内が蒸し風呂のように暑くなることは少ないです。
蚊帳・バスタブが標準装備:室内に余計な物が入ってくる心配がない
ルナーソロには蚊帳とバスタブが標準装備されているので、室内に快適な空間が確保できます。
虫が多い環境で、蚊帳があるのとないのでは休憩の質が大きく変わります。
バスタブの高さが約15cmと十分に高いので、風によって砂が大量に入ってくる心配が少ないです。
アフターサービスが手厚い:故障しても安価で修理してくれる
ルナーソロの良かった点とは少し違いますが、シックスムーンデザインズはアフターサービスが手厚いので安心です。
例えば、シックスムーンデザインズは装備が壊れた場合、安価で修理をしてくれる修理サービスがあります。
私がアメリカのロングトレイルを歩いていた際に、ルナーソロのジッパーが壊れたので修理サービスを利用しました。
修理をしている間は代替テントを借りれたのも非常に助かりました。
日本から修理を依頼する場合は、送料が高くなるので利用しにくいかもしれません。
ですが、新しく物を買い直すより安いので覚えておいて損はありません。
べんぞー
シックスムーンデザインズは製品も魅力的だけど、何よりハイカーのことを大切に思っている企業マインドに感動したよ。
デザインがかっこいい:テンションが上がる
ルナーソロはデザインがカッコいいので使っていてテンションが上がります。
- 美しいシルエットのワンポールテント
- 自然風景に馴染みやすいカラーリング
一般的なドーム型の山岳テントとはデザインが一味違うので、とても新鮮な気持ちで使うことができます。
見た目の美しさと軽量で居住性が高いなどの機能性を持ち合わせているのがルナーソロの魅力です。
ルナーソロ(Lunar Solo)の気になる点 7選
ルナーソロ(Lunar Solo)は素晴らしいテントですが、100泊以上使っていると「ここがいまいちだな」と感じることもありました。
ルナーソロの気になる点を紹介しますので、ルナーソロへの疑問を解消してください。
設営場所が限られる①:ペグが刺さらない場所では使用不可
ルナーソロは非自立式テントなので、岩場で地面が硬かったり、砂浜のようなペグが刺さらない場所では設営できません。
一時的にペグを刺せても、打ち込みが甘いと強風でペグが抜けてしまいテントが倒壊してしまいます。
べんぞー
夜中に強風でペグが抜けて、テントが倒壊したときはビックリしたよ。何度も張りなおすのは面倒だからしっかり固定しよう。
地面にペグが刺さらない場所では、石など周りの物を上手く利用して固定するなど、状況を判断して対応しないといけません。
設営場所が限られる②:設営にスペースが必要
ルナーソロを設営するには十分に広いスペースが必要です。
ルナーソロはフロア面積だけでなくペグでしっかり固定する必要があるので、思っているより設営スペースが広くなります。
べんぞー
体感的には2人用テントよりも広い面積が必要かな。
人気のテント場は到着が遅れると設営できるスペースが見つからない恐れがあるので、事前に確認しておくと良いです。
設営に失敗すると居住性が悪くなる:テンションをしっかりかける
ルナーソロはしっかり設営できないといっきに居住性が低くなります。
失敗パターンの多くは、テントに上手くテンションをかけられていない事が原因です。
張りが甘いと、屋根がたるむので次のような問題が発生します。
- 風のバタつき音がうるさい
- 頭や足にフライが触れる
- フロアのバスタブが上がらない
設営に失敗すると居住性が一気に悪くなるので、テンションをかけるように気をつけましょう。
縫い目の防水処理がされていない:自分でシーム処理を行う必要あり
ルナーソロは縫い目の防水処理が行われていません。
べんぞー
ルナーソロは気候が安定しているアメリカ西海岸が発祥だから、利用者が必要に応じて防水処理するようになってるよ。
日本の山の天気は突然雨が降ることも多いので、浸水対策のために防水処理をするのが無難です。
防水処理は少し面倒ですが、しっかり処理すれば浸水することはほぼないので安心して使えるようになります。
ルナーソロの防水処理(シーム処理)の方法
私は公式がおすすめする方法で防水処理をしました。
【用意する物】
- ギアエイド「シームグリップ+SIL」
- ペトロール(うすめ液)
- 小さな刷毛
- 薬剤を混ぜる容器(ペットボトルを切ったものなどでも可)
- ベビーパウダー(チョーク粉や小麦粉などサラサラした粉末状の物)
【手順】
- 薬剤の準備:シーリング材とペネロール(ミネラルスピリット)1:1の割合で薄めて、食用油くらいの粘度になるまで混ぜる
- ルナーソロの設営する
- 縫い目に薬剤を塗る
- 乾くまでしばらく放置する
- 乾き切る前にテントを片付ける場合、防水処理をした場所がくっつかないようにベビーパウダーなどで軽くはたく
注意点としては、場所と時間の確保が難しいことです。
しっかり防水処理をするにはルナーソロを設営する必要があります。
さらに、薬剤が乾くまで半日以上かかるので余裕を持つようにしてください。
ジッパーが壊れやすい:洗濯はこまめに行うこと
ルナーソロは室内のジッパーが壊れやすいです。
私はアメリカのロングトレイルを歩いていて、2ヶ月くらい使い続けたらジッパーが壊れました。
他のハイカーも同じような症状が発生していたと言っていたので、おそらくテントの構造の問題だと考えられます。
ジッパーが地面に近い部分にあるのでホコリが詰まりやすいです。
洗濯をしないで使用し続けると故障するリスクが高まるので、使用後はしっかりメンテナンスをすることをおすすめします。
保温性が低い:寝袋など他の装備でバランスをとる
ルナーソロはシングルウォールで通気性能が高いテントなので、保温性は高くありません。
一般的な山岳テントと同じ感覚で使うと、少し寒く感じる可能性があります。
ルナーソロはテントの中で快適に過ごせるように、下記の様に装備全体のバランスを考えることが大切です。
- 普段より暖かい寝袋を使う
- 断熱性能が高いスリーピングマットを使う
- 防寒着を着込んで寝る
悪天候の時は少し不安:意外と大丈夫だけど、悪天候になりそうなら中止が無難
ルナーソロは多少の悪天候は問題ないですが、大雨・強風を受けるような状況では心もとないです。
特に、強風に吹かれると、専用のポールがかなりしなり折れてしまわないか心配になりました。
今のところ、悪天候で浸水した経験はないですが、天気が大きく崩れた時はあまり気が休まりません。
べんぞー
ルナーソロは意外と雨風には強いよ。だけど山岳テントの安心感には敵わないかな。
ルナーソロに限らず悪天候が予想される場合は、山に遊びに行くのを中止するのが良いです。
ルナーソロ(Lunar Solo)のQ&A
Q&A形式でルナーソロ(Lunar Solo)の疑問を解決していきましょう。
結露はするの?
結露はします。
ルナーソロは通気性が良い構造ですが、外が冷え込んだ時や湿度が高い環境では、高確率で結露が発生します。
とはいえ、結露しやすい環境では多かれ少なかれどんなテントでも結露します。
寒暖差があまりない状況では全く結露が発生しないこともありました。
ルナーソロは特に、結露に対して強くも弱くもないという印象です。
ペグは何本用意すればいい?
ペグは6〜8本あれば十分です。
内訳は以下になります。
- 設営に必要なペグ:6本(必須)
- 居住空間を広げるガイライン用のペグ:2本
ポールは専用ポールとトレッキングポール、どちらがいいの?
基本的に、普段からトレッキンポールを使うかどうかで決めるのがおすすめです。
- トレッキングポールを使う:トレッキングポール
- トレッキングポールを使わない:専用カーボンポール
まだトレッキングポールを持っていない方で、どちらが良いか悩んでいる方は以下を参考にしてください。
専用カーボンポール | トレッキングポール |
---|---|
・約50gと軽量・コンパクトで荷物にならない ・作りがシンプルで故障のリスクが低い | ・高さの微調節ができるので設営の幅が広がる ・ハイキング中、トレッキングポールを使える |
2人で使うことはできる?
私自身、2人で使用したことはないですが、小さなお子さんと親子で使ったり、仲の良いカップルであれば2人で泊まることは可能です。
荷物を前室に置く、バックパックをスリーピングマットとして使うなど、テント内のスペースを確保する工夫次第が必要ですが、2人で使えるポテンシャルはあります。
フットプリント(グランドシート)は必要?
テントの保護目的であればフットプリント(グランドシート)は不要です。
私はフットプリントを一度も使ったことがありませんが、今のところトラブルにあったことがありません。
設営の前に地面を確認して、尖った小石などを取り除けば長持ちします。
もちろん、耐久性に不安を感じる方は専用品のフットプリントを使ってみると良いかもしれません。
保温目的の場合はフットプリントよりテント内にエマージェンシーシートを敷いたほうが効果が高いです。
ルナーソロ(Lunar Solo)で100泊以上した感想
私はルナーソロ(Lunar Solo)で100泊以上して「完成度が高いプロダクトで、これさえあれば他のワンポールテントは必要ない」と感じました。
それは、ルナーソロがハイキングを楽しませてくれる要素がたくさん盛り込まれているからです。
- 軽量・コンパクトで疲労が溜まりにくい
- 快適な居住空間でしっかり体を休めることができる
- 天候や気温、環境音をダイナミックに感じられる
もちろん、非自立式のシングルウォールテント特有の注意点があるのは事実です。
ですが、それらを考慮しても実用性が十分に高く、非常に満足度の高いテントになります。
べんぞー
たくさん使って愛着のあるテントという理由もあるけど、他のワンポールテントに買い替える理由が正直見つからないくらい「完成度が高いULテント」だよ。
まとめ:ルナーソロはハイキングを楽しませてくれるワンポールULテント
以上、シックスムーンデザインズ「ルナーソロ(Lunar Solo)」の良い点、気になる点を解説しました。
最後にルナーソロがおすすめな人・向いていない人を紹介して終わりにします。
ルナーソロを購入するか検討している人はぜひ参考にしてください。
- 1kg以下のULテントを探している人
- 自然をよりダイレクトに感じたい人
- ワンポールテントデビューで失敗したくない人
- どんな環境でも設営できる便利なテントを探してる人
- 厳しい環境でも安心できるテントを探している人
- 自分でメンテナンスをするのが面倒と感じる人
ルナーソロはこれまで紹介した通り、優秀なテントですがどんな状況にでも対応できる万能テントではありません。
ですが、そこがルナーソロの魅力でもあります。
軽量ワンポールテントのルナーソロを手にとって、自然をダイレクトに味わう楽しさをぜひ味わってみませんか?
【設営に必要な備品】
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【防水処理に必要な物】
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【必要に応じて追加する装備】
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