• 東海自然歩道ってどんなトレイルなんだろう?
  • 実際に歩いている人はいるのだろうか?
  • 本当にロングトレイルとして楽しめるのだろうか?

ロングトレイルに興味がある方なら、「東海自然歩道」という名前を聞いたことがあるかもしれません。

東海自然歩道は、東京から大阪までをつなぐ長距離自然歩道です。
里山や樹林帯を中心に、地域の文化や風景を感じながら歩けるトレイルとして知られています。

ただ、距離の長いトレイルということもあり、実際に歩くとどんな旅になるのか想像しにくいかもしれません。

そこでこの記事では、実際に東海自然歩道を歩いて感じたことを紹介します。

私は東海自然歩道を、2025年3月から2026年2月にかけて、7回のセクションハイク(区間ごとに分けて何回かに分けて歩くスタイル)で踏破しました。

この記事で紹介すること
  • 実際に東海自然歩道を歩いて感じたこと
  • セクションハイクという歩き方について
  • 歩く前に知っておきたかったこと

東海自然歩道は、歩いていたときの情景や感覚が、しみじみと心に残る旅になりました。
里山の風景や地域の文化を感じながら、ゆっくり歩く旅を楽しみたい方にはオススメのトレイルです。

この記事が、これから東海自然歩道を歩いてみようか迷っている方の参考になれば嬉しいです。

東海自然歩道とは?日本で最初の長距離自然歩道

東海自然歩道は、東京都の高尾山から大阪府の箕面までを結ぶ長距離自然歩道です。
1974年に整備された、日本で最初の長距離自然歩道として知られています。

開通1974年
総全長(主線+副線)約1,700km
最高標高地点1,433m(神奈川県 姫次)
起終点(東側)東京都 高尾「明治の森高尾国定公園」
起終点(西側)大阪府 箕面「明治の森箕面国定公園」

なぜ東海自然歩道を歩こうと思ったのか

東海自然歩道の50周年を機に開催されたイベント。これに参加してモチベーションが上がった。

東海自然歩道を歩こうと思ったのは、これまでとは少し違う形で歩き旅を楽しんでみたいと思ったからです。

  • ロングトレイルといえば海外のイメージが強かったが、もっと身軽に歩き旅を楽しみたいと思い、日本のトレイルにも目を向けるようになった
  • スルーハイクには長期休暇が必要で、毎回その時間を確保するのは簡単ではなく、セクションハイクという歩き方にも興味を持った
  • 東海自然歩道が開通50周年で注目されていることを知った

こうした条件が重なって、東海自然歩道をセクションハイクで歩くことにしました。

東海自然歩道を歩いて感じた3つの魅力

高尾にある起終点の道標。普段は人が多いが早朝に出発したので誰もいなかった。

東海自然歩道を実際に歩いてみて、さまざまな魅力を感じました。
ここでは、特に印象に残った3つを紹介します。

  • 素朴で心地よい里山の道
  • 地域ごとの文化や風景を楽しめる
  • 気軽に歩き始められるロングトレイル

素朴で心地よい里山の道

雰囲気の良いトレイルと道標。東海自然歩道はこのような道が多い。

東海自然歩道は、素朴で心地の良い里山の道でした。

ルート全体としては、低山や樹林帯、里山歩きが多いトレイルです。
どこにでもありそうな低山の風景が続きます。

展望が開ける場所もありますが、海外のロングトレイルのように壮大な景色が続くわけではありません。
ただ、派手な絶景が続くわけではないからこそ、落ち着いた雰囲気の中で歩く時間が心地よく感じられました。

心穏やかに目の前の自然風景を楽しみながら、のんびりと歩ける。
東海自然歩道は、そんなトレイルでした。

地域ごとの文化や風景を楽しめる

奈良の室生寺。ちょうど紅葉シーズンが始まる時期で境内がきれいだった。

東海自然歩道は、地域ごとの特色を楽しめるトレイルでした。

教科書に載っているような歴史的な場所や、有名な観光地に立ち寄れるのも東海自然歩道の魅力です。

  • 富士山周辺の湖や樹海を歩く山梨
  • 広々としたお茶畑が広がる静岡
  • 神社仏閣が多く見られる奈良、京都

東海自然歩道では、山の景色だけでなく、町並みや人の暮らしを含めた「風景」の中を歩きます。
地域ごとの文化や生活の気配を感じながら歩けるのも、このトレイルの面白さでした。

また、東の区間は比較的ひっそりとしたトレイルが多く、西に進むにつれて神社仏閣や歴史的な場所が増えていきます。
東から西へと少しずつ文化が変わっていくような面白さもありました。

気軽に歩き始められるロングトレイル

京都の大原の風景。東海自然歩道は山里に立ち寄る機会が多いので、食事や買物がしやすい。

東海自然歩道は、気軽に歩き始められるロングトレイルだと感じました。
その理由の一つが、歩き方の自由度の高さです。

具体的には、次のような点があります。

  • 猛暑日や冬季の豪雪地帯を避ければ、1年を通して歩ける
  • 東海道新幹線に沿っている区間も多く、場所を選べば途中でやめて再開することも簡単
  • 町が近くにある場所も多く、食糧補給に困ることが少ない

セクションハイクのように、区間を区切れば思い立ったときに歩き始めることができます。

東海自然歩道は、気負わず自分のペースで歩けるトレイルだと思いました。

セクションハイクという歩き方で感じたこと

たくさん実った収穫前の田んぼ風景。遠くに見えるのは養老方面の山々。

今回の東海自然歩道は、セクションハイクという形で歩きました。
一度にすべてを歩くスルーハイクとは違い、区間を分けて歩くことで見えてきた面白さもあります。

ここでは、セクションハイクの魅力について3つ紹介します。

  • 四季を味わいながら歩けた
  • 生活と両立できる歩き方
  • 日常に戻っても、旅が続いている感覚

四季を味わいながら歩けた

雪が積もった貴船神社奥宮の参道。東海自然歩道のルートではないが寄り道をした

私は東海自然歩道を、1年かけてセクションハイクで歩きました。
そのおかげで、季節の移ろいを感じながら歩くことができました。

  • 新茶の収穫期で、お茶の香りが漂う茶の集落
  • ひぐらしの鳴き声を浴びながら歩く夕暮れ
  • たくさん実った稲穂を眺めながら進む田園地帯
  • 澄んで凍えるような空気の中を歩く雪のトレイル

トレイルは季節によって違う表情を見せてくれます。
1年を通して歩いたからこそ、その変化を楽しめたと思います。

生活と両立できる歩き方

三河大野駅の前で記念撮影。セクションハイクの終わりを駅にすると再開するのが楽。

セクションハイクという歩き方は、普段の生活と両立できるのも魅力だと感じました。

ロングトレイルというと、長期間の休暇を取って一気に歩くイメージがあります。
そのため、心理的にも経済的にもハードルが高く感じてしまいます。

ですが、セクションハイクで区間を分けて歩けば、仕事を続けながらでもトレイルを楽し目ます。

ブログ運営者
べんぞー

私も、仕事を調整しながら週末や連休を使って歩きました。

日常に戻っても、旅が続いている感覚

計画のときに使った、雑誌「TRAILHEAD」とData Book。

セクションハイクで歩いていると、日常に戻ったあとも、どこか旅の延長にいるような感覚がありました。

家に帰って地図を見ながら次のセクションの計画を立てる時間も、旅の一部のように楽しかったです。

  • 次はどの区間を歩こうか?
  • 装備は何を持っていこうか?
  • 途中に面白そうな場所はないかな?

ロングトレイルを長編映画に例えるなら、一度に通して歩くスルーハイクは、一気見のような没入感のある旅です。
一方、セクションハイクはシリーズ作品を少しずつ楽しんでいくような旅に近いです。

セクションハイクは、1つのセクションを歩き終えるたびに余韻が残り、次はどんな旅になるのだろうかとワクワクする。
そんな歩き方だと感じました。

東海自然歩道を歩いて感じた注意点

足場が脆くなったトラバース。

東海自然歩道を歩いていて、いくつか大変だと感じたこともありました。
これから歩く人の参考になるように、いくつか紹介します。

  • ヤマビルやマダニなどの吸血系の虫
  • 真夏の舗装路の暑さ
  • 整備状況に差があり、荒れた区間もある
  • 通行止めで迂回路を使う機会も多い

ヤマビルやマダニなどの吸血系の虫

ヒル注意の張り紙。最盛期にはヒルの大群に襲われた。

東海自然歩道は樹林帯や低山を歩く区間が多く、暖かい時期はヤマビルやマダニなどの吸血系の虫が活動しています。
活動期はだいたい5〜11月ですが、最盛期である7月ごろに歩いたときはヤマビルの大群に襲われました。

虫除けスプレーなどの忌避剤を使うと被害をかなり抑えられたので、とても役に立ちました。
暖かい時期に歩く場合は、虫対策を準備しておくと安心です。

真夏の舗装路の暑さ

天気の良い真夏の舗装路。気温も高くてまいったが、足元からの熱が特にヤバかった。

東海自然歩道は舗装路を歩く区間も多く、真夏に歩く場合は注意が必要です。
真夏の太陽で熱されたアスファルトは非常に熱く、身の危険を感じるほどでした。

熱中症対策として、水分補給をしたり、濡らした手ぬぐいを首に巻いたりしながら歩いていました。
また、暑くならない早朝から歩いたり、カフェなどクーラーが効いている場所で休憩したりしていました。

暑さ対策をいろいろとしましたが、真夏に舗装路を歩くのは、思っていた以上に過酷でした。

整備状況に差があり、荒れた区間もある

草に覆われたトレイル。身長以上の高さがあると、方向感覚がわからなくなるので地味に危険。

東海自然歩道は、エリアによって整備状況に差があります。
特に、あまり歩かれていないルートでは、道が荒れていることも少なくありません。

自分の身長ほどの藪をかき分けて進む場所や、足場が脆く崩れかけている斜面などもありました。

全線を通して危険箇所は多くありませんが、道が荒れている場所では注意が必要です。

通行止めで迂回路を使う機会も多い

通行止めの張り紙。事前準備もしつつ、現地で臨機応変に対応することも大切。

東海自然歩道は1,000km以上続く長いトレイルのため、すべての区間を常に整備するのは難しく、自然災害などで通行止めになっている場所もあります。

その場合は、迂回路を使って歩く必要があります。
迂回路は各自治体が公開している情報を参考にしたり、自分でルートを考ることになります。

迂回路を使うことを少し残念に感じるかもしれません。
ですが、臨機応変にルートを外れて、少し寄り道をしながら楽しむくらいの心の余裕を持つのが大切だと思います。

まとめ|東海自然歩道は里山を歩く旅

箕面にある起終点の道標。歩き終えた後に自慢の装備と記念写真を撮った。

東海自然歩道をセクションハイクで踏破して感じたことを紹介してきました。

今回の旅は、歩いていたときの情景や感覚がしみじみと心に残る旅でした。

そう感じたのは、目だけでなく心に語りかけてくるような体験が多かったからだと思います。

  • 素朴なトレイルを淡々と歩く時間
  • 地域ごとの風景や文化との出会い
  • 四季の移り変わりを感じながら歩くこと

また、セクションハイクで1年かけて歩いたことで旅を長く楽しめたことも、心に残る理由のひとつかもしれません。

今回この記事を書くためいろいろと思い出していたら、東海自然歩道をまたふらっと歩きたくなりました。

里山の風景や地域の文化を感じながら、ゆっくり歩く旅を楽しみたい方は、東海自然歩道はきっと合うトレイルだと思います。

装備や行程などの記録も近日投稿します。
興味がある方は合わせて読んでみてください。