2024年にコロラドトレイルをスルーハイクしました。
本記事では、私がCTをスルーハイクした際の行程データと、計画に役立つ情報を紹介します。
CTに興味がある方や、これからCTを計画する方は、ぜひ参考にしてください。
目次
実際にコロラドトレイルを歩いた時の⾏程
2024年にコロラドトレイルをスルーハイクした行程は以下の通りです。
- 日数:39日(2024年7月25日〜2024年9月1日)
- 総移動距離:486.4マイル(約782.8km)
- ゼロデイ(休息日):7日
- 補給回数:7回
細かな内容については、以下の画像を拡大してご確認ください。
資料からもわかる通り、ほとんどの町でゼロデイ(休息日)を取り、1日の歩行距離は短めです。
体力的には余裕があったので、歩くペースを上げ、ゼロデイを減らせば1ヶ月以内に終えることもできたと思います。
べんぞー
今回は日程に余裕を持たせ、のんびりハイキングを楽しむスタイルで歩いたよ。
コロラドトレイルについて知る
コロラドトレイルは、アメリカ合衆国コロラド州のデンバーとデュランゴの間を結ぶ、全長約485マイル(約780km)のロングトレイルです。
標高が平均3,000mと非常に高く、厳しい自然環境を歩くことになります。
- 平均標⾼が3,000mと⾼度が⾼い
- モンスーンの影響で⼤⾬や雷が発⽣しやすい
- 適期は7⽉から9⽉
コロラドトレイルの基本情報
コロラドトレイルの基本情報は以下です。
位置 | アメリカ合衆国コロラド州を東西に横断するトレイル |
---|---|
全長 | 約485マイル(約780km) |
標高 | 平均標高:約3,000m、最高地点:約4,000m |
環境 | ロッキー山脈を中心に、多様な自然環境(山岳、森林、草原、峡谷など)が広がる |
適期 | 6月から9月 |
平均標⾼が3,000mと⾼度が⾼い
コロラドトレイルは平均標高が約3,000mと、かなり高地を歩くトレイルです。
最高地点は約4,000mに達し、日本では経験できないほどの高度を体感できます。
そのため、高山病や体調不良のリスクがあるため、注意が必要です。
べんぞー
最初はゆっくりしたペースで体を慣らすなどして、高山病対策はしたほうがいいかも。
モンスーンの影響で⼤⾬や雷が発⽣しやすい
コロラドトレイルでは、モンスーンの影響で昼から夕方にかけて天候が急変することが多いです。
時には大雨や雹、雷など、急激な天候の変化に見舞われることがあります。
標高が高い分、天候が悪化すると気温も急激に下がるため、防水対策と防寒対策は必須です。
べんぞー
雨は10分〜1時間ほどで止むことが多かったけど、降ったり止んだり繰り返すこともあったよ。
適期は7⽉から9⽉
コロラドトレイルの適期は雪が解ける7月から、再び雪が降り始める9月までの期間です。
適期は約2ヶ月あるため、スルーハイクには十分な期間ですが、計画には注意が必要です。
歩き始めが遅かったり、ゆっくり歩きすぎると、雪が降り始め、積雪で歩行が困難になる可能性があります。
歩行スケジュールを決める
コロラドトレイルの歩行スケジュールを、具体例を交えて解説します。
このトレイルは約485マイル(約780km)のロングトレイルです。
歩くスピードや休息日数は人によって異なるため、スルーハイクにかかる期間には4〜6週間ほどの幅があります。
チャレンジングな日程でスルーハイクに挑むか、ゆっくりとセクションハイクで大自然を楽しむか、自分のスケジュールに合わせて計画を立てください。
1ヶ⽉でスルーハイクするモデルケース
例えば、8月に丸々休みを取れる場合、次のように計画することができます。
日付 | 説明 |
---|---|
8/1 | 日本から出国し、アメリカに入国。デンバー市街に宿泊。 |
8/2 | ハイキング開始! |
・ ・ ・ | 休息日、予備日に3日設けた場合 歩ける日数:24日(31日 − 4日(移動日数)− 3日(休息日数)) 1日の歩行距離:約20マイル/日(485マイル ÷ 24日) |
8/28 | ハイキング終了!デュランゴに宿泊。 |
8/29 | デュランゴからデンバーに移動。 |
8/30 | アメリカから出国。 |
8/31 | 日本に帰国。 |
1日20マイル以上歩き続ける必要があり、予備日が少ないためチャレンジングな行程になってます。
べんぞー
計算には補給のための移動距離は含まれてないから、実際はもっと歩くことになるよ。
ですが、CTは全体的にきれいに整備されており、歩きやすいトレイルです。
最初は、標高が高いためペースが思うように上がらないかもしれませんが、体が環境に慣れてくると次第に歩くスピードも上がっていきます。
登山やハイキングに慣れている人には実現可能なプランです。
日数確保が難しい場合、セクションハイクも選択肢に
1ヶ月の休暇を取るのが難しい方には、セクションハイクがという選択肢もあります。
特に、中間地点の町のサライダまでを目標にするのがオススメです。
サライダはデンバーから約255マイル(約410km)の場所にあり、デンバー行きのバスも運行しているため、帰りのアクセスも便利です。
もしスルーハイクにこだわるなら、ジョン・ミューア・トレイル(全長約211マイル/約340km)など、距離が短いトレイルを検討すると良いでしょう。
地図を入手する
コロラドトレイルの地図には、スマホアプリや市販の紙地図などいくつかの種類があります。
地図は、ハイキング中だけでなく、事前の計画時にも役立つ重要なツールです。
それぞれの地図には異なる特徴があるので、目的や好みに応じて選ぶことが大切です。
- 地図アプリ「FarOut」
- 公式「データブック」
- ナショナル・ジオグラフィック「地形図ガイド」
- 公式「ガイドブック」
地図アプリ「FarOut」
FarOutは、多くのハイカーが利用しているスマホ用の地図アプリです。
このアプリを使うことで、スルーハイクのハードルが大幅に下がります。
価格は約20ドルですが、年に数回20〜30%オフのセールがあるので、タイミング次第ではお得に購入できます。
べんぞー
FarOutは一番オススメの地図だよ。
公式「データブック」
公式「データブック」は、コロラドトレイルの水場や町までの距離など、必要最低限の情報をコンパクトにまとめた本です。
ズボンのポケットにも入るサイズで、携帯性に優れています。
地図は簡易的なイラストのような形式で、正確な現在地を把握するには不十分な場合もあります。
しかし、CTは基本的に一本道で、道標も多く設置されているため、データブックのような簡易地図でも困ることは少ないです。
ナショナル・ジオグラフィック「地形図ガイド」
ナショナル・ジオグラフィック「地形図ガイド」は、ポケットサイズの標準的な地図です。
この地図には等高線や迂回路などの詳細情報が記載されており、より精密な地図が必要な方におすすめです。
コンパクトで軽量なうえ、防水紙が使われているため、トレイル中でも安心して利用できます。
公式「ガイドブック」
公式「ガイドブック」公式ガイドブックには、コロラドトレイルの歴史、地質、生態系など、トレイルに関する詳細情報が掲載されています。
主に計画段階で、CTについて詳しく調べる際に役立つ資料です。
分厚くて持ち運びには不向きですが、トレイル中でも使いたい場合は、必要なページだけを切り取って軽量化することを検討すると良いでしょう。
ルートを決める
コロラドトレイルのルート選びについて説明します。
CTはデンバーからデュランゴまで続くほぼ一本道のトレイルなので、ルート選びで考えることは少ないです。
次の2点について抑えておけば大丈夫です。
- 南下と北上について
- 東ルートと西ルートについて
べんぞー
自分は南下、西ルートを歩いたよ。
南下と北上について
南下と北上の特徴はそれぞれ以下の通りです。
迷った場合は、難易度が低い南下がおすすめです。
南下ルートは、標高の低い場所から徐々に標高が上がるため、体への負担を抑えながら歩けます。
東ルートと⻄ルートについて
コロラドトレイルはほぼ一本道ですが、一部で東ルートと西ルートに分岐してます。
それぞれ景観や難易度が異なります。
どちらのルートを選ぶかは、自身の実力や体調、天気予報などを考慮して決めることが大切です。
べんぞー
西ルートは、きつい峠越えを何度も繰り返しでハードだったけど、その分景色が良くて歩きごたえがあったよ。
⾷料補給を知る
コロラドトレイルの食料補給について解説します。
- 食料は2〜5日の間隔で補給できる
- 小さな町でも必要十分な買い物ができる
- 町への移動は基本ヒッチハイク
- 水場は比較的多く、困ることは少ない
CTでの食料補給は、それほど難しくありません。
自分のペースに合わせて食料を調整すれば、問題なくハイキングを続けられます。
⾷料は2〜5⽇の間隔で補給できる
食料は現地のグローサリーストアやゼネラルストアで購入できます。
コロラドトレイルには20〜100マイルごとにトレイルタウンがあります。
2〜5日分の食料を準備しておけば十分です。
べんぞー
ロングトレイルは、町で補給→数日間ハイキング→町で補給・・・の繰り返しだよ。
小さな町でも必要十分な買い物ができる
大きな町にはチェーンのグローサリーストアなどがあり、食料調達で困ることはありません。
レイクシティやシルバートンといった小さな町では品揃えが限られ、物価も高いことがありますが、必要最低限の食料は手に入ります。
食料を事前に郵送する方法もありますが、コストや手間、受け取りの時間制約を考えると、現地のお店を利用するほうが効率的です。
アメリカのトレイルでどんな食料を購入できるか気になる方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
町への移動は基本ヒッチハイク
トレイルヘッドから町までの距離は場所によって異なります。
徒歩で行ける町もあれば、10マイル以上離れている場所もあります。
距離がある場合は車での移動が必要になるため、基本的にはヒッチハイクをすることになります。
コロラドトレイル沿いでは、ヒッチハイクが比較的簡単で、多くの場合30分以内に車が止まってくれることが多かったです。
水場は比較的多く、困ることは少ない
コロラドトレイルでは、水は川や湖から現地調達します。
CTは水場が比較的豊富で、水不足に困ることはほとんどありませんでした。
べんぞー
なるべく水は1リットル以上ある状態をキープするようにしてたよ。
ただし、標高が高い場所や長い稜線上では、水場が少なくなることがあります。
中には20km以上水場がない区間もあるため、場所によっては多めに水を運ぶ必要があります。
水場の場所を確認するため、地図をしっかり確認することが重要です。
また、アメリカの土壌には寄生虫が含まれているため、カタダイン「ビーフリー」などの携帯浄水器が必須です。
宿泊⽅法を知る
コロラドトレイルでの宿泊方法について解説します。
- トレイルではキャンプが基本
- 町ではホステルやキャンプグラウンドを使う
トレイルではキャンプが基本
コロラドトレイルでの主な宿泊方法はキャンプになります。
キャンプ禁止エリア以外であれば、基本的にどこでもキャンプをしても大丈夫です。
ただ、コロラドトレイルはストームが発生して天気が崩れやすいので、標高が高い場所や稜線上でキャンプをする際は注意が必要です。
雨風に対応できる装備を用意し、天気予報と空模様をよく確認しましょう。
町ではホステルやキャンプグラウンドを使う
長期のハイキングでは、町で休息を取ることも重要です。
町にはホステルやキャンプグラウンドがあります。
FarOutという地図アプリには、宿泊施設の情報や口コミが掲載されており、評判の良い施設を簡単に見つけることができます。
装備・資料を用意する
コロラドトレイルの装備や必要なモノを解説します。
- 装備
- パスポート
- 航空券
- 許可書(パーミット)は不要
装備
コロラドトレイルは、過酷な自然環境の中を長期間歩くことになります。
悪天候に遭遇することもあるので、寒さや雨に対応できる装備を揃えることが重要です。
ただ、どんな装備が必要か悩む方も多いかと思います。
私が2024年にCTを歩いた際のギアリストをこちらの記事で紹介しているので、参考にしてください。
パスポート
コロラドトレイルはアメリカのコロラド州にあるため、日本から渡航するにはパスポートが必要です。
パスポートの申請から受領までに約1週間かかるので、早めに準備しましょう。
べんぞー
ハイキング中は、ジップロックで防水対策をしてサコッシュに収納してたよ。
90日以内の滞在であればビザは不要で、渡米前にESTA(電子渡航認証システム)を申請するだけで十分です。
航空券
日本からコロラド州デンバーへの行き方には、直行便と乗り継ぎ便の2種類があります。
直行便(成田-デンバー)はユナイテッド航空で運行されおり、楽に移動できますが、費用が高め($1,885〜ドル)です。
乗り継ぎ便は時間がかかるものの、コストを抑えることができます。
航空券の相場やルートを調べるには、エクスペディアやエアトリなどの比較サイトを使うと便利です。
べんぞー
出国日や予約する時期によって料金も変わるよ。タイミングによって直行便と乗り継ぎ便の価格差があまりないこともあるからチェックしてね。
許可書(パーミット)は不要
コロラドトレイルを歩くための許可書(パーミット)は必要ありません。(2024年10月時点)
たとえば、ジョン・ミューア・トレイルを歩くにはパーミットを取得するために、英語での申請や現地での手続きが必要です。
CTはパーミットが不要なので、現地にさえ行ければ、特別な手続きなしで歩くことができます。
その他、お役立ち情報
コロラドトレイルを歩く際に、知っておくと役立つ情報をいくつか紹介します。
- CTの情報が集約されているサイト「Colorado Trail Foundation」
- 超レアなアパレルブランド「メランザーナ」
- 多くのハイカーが集まる「ハイカーセンター」
- スルーハイカーの証「コンプリートワッペン&シール」
- デュランゴからデンバーへの移動方法について
CTの情報が集約しているサイト「Colorado Trail Foundation」
Colorado Trail Foundation(略称CTF)はコロラドトレイルの管理団体です。
CTFのサイトには、アラート情報やトレイルエンジェルに関する情報など、CTの役立つ情報が多く掲載されています。
超レアなアパレルブランド「Melanzana」
Melanzanaはコロラド州リードビルに拠点を置くアパレルブランドです。
Polartec社の高性能フリースを使用したフーディーが人気商品で、リードビルの店舗でのみ購入可能です。
入店には事前予約が必要ですが、CTのハイカーは予約なしで入店できます。
南下する場合、リードビル以降は標高がさらに高くなるため、防寒着として購入を検討すると良いでしょう。
べんぞー
トレイルでも多くのハイカーがMelanzanaのフリースを着てたよ。
多くのハイカーが集まる「ハイカーセンター」
ハイカーセンターとはレイクシティにあるハイカーをサポートしてくれる施設です。
- 無料コーヒー
- 充電器
- Wi-Fi
- 充実したハイカーボック
- トレイルまでの送迎
宿泊はできませんが、ハイカーフレンドリーで非常に居心地が良かったです。
スルーハイカーの証「コンプリートワッペン&シール」
コロラドトレイルをスルーハイクすると、デュランゴのウェルカムセンターでワッペンとシールがもらえます。
スルーハイクを完了した際はぜひ立ち寄ってみてください。
デュランゴからデンバーへの移動方法について
デュランゴからデンバーへの移動手段は主に3つあります。
自分のスケジュールに合った方法を選んでください。
移動手段 | 所要時間 | 費用 | 補足説明 |
---|---|---|---|
バス | 約12時間 | 約$85 | 乗り継ぎあり ・デュランゴ – グランドジャンクション ・グランドジャンクション – デンバー |
飛行機 | 約1.5時間 | $275〜 | デュランゴ・ラ・プラタ・カウンティ空港 – デンバー国際空港 時間を調整すれば、その日のうちに日本行きの飛行機に乗り継ぎ可能 |
レンタカー | 約7時間 | $50 | 4人で割り勘した場合 |
まとめ:自分に合った計画を立ててコロラドトレイルを楽しもう
私が2024年にコロラドトレイルを歩いた時の行程は以下になります。
- 日数:39日(2024年7月25日〜2024年9月1日)
- 総移動距離:486.4マイル(約782.8km)
- ゼロデイ(休息日):7日
- 補給回数:7回
海外のロングトレイルを歩くのは難しいと感じる人は多いかもしれません。
しかし、CTは情報が充実しており、特別な許可書も不要なため、意外とハードルは低いです。
べんぞー
自然環境が厳しいから、そこだけは注意が必要だね。
海外のトレイル情報を調べる際、英語での情報が多く、苦労するかもしれませんが、それも旅の醍醐味です。
コロラドトレイルに興味がある方は、めげずに計画を進めてください。
本記事が少しでも参考になったら嬉しいです。
べんぞー
CTについて気になることがあったら、問い合わせやX(旧Twitter)のDMなどから質問してね。
コロラドトレイルの計画に役立つ記事を投稿しているので、よかったら合わせて読んでください。