皆さん、ハイキング中のトラブルと聞くと何を想像しますか?
急な天気の崩れ、低体温症、道迷いなど山にはたくさんのリスクがあります。
「遊びに行くのに不安になることを言わないでよ、、」「山って怖いところなんだね。行くのやめよう、、」と思うかもしれません。
確かに、山の活動には危険がつきものです。
自然が本気で牙をむいたら人間は一溜まりもありません。
しかし、山にはそれ以上に魅力があるのも事実です。
自然の怖さを知り、リスクを抑える方法を知っていれば、ある程度の危険を回避することができます。
そこで本記事では、以下のトラブルについて紹介します。
「山はともだち、こわくないよ!」とまでは言いませんが、山のリスク管理ができるとある程度の危険は回避できます。
そして、ハイキングを安心して楽しむことができます。
安全なハイキングをするために参考にしてください。
目次
山ではどんなトラブルが起きているか
ハイキングシーズンになると、テレビやインターネットなどで山の遭難事故のニュースを目にすることが多くなります。
実際にどのようなトラブルが発生しているか、警察庁の「令和3年夏期における山岳遭難の概況」を元に紹介します。
上表は遭難の態様ごとの遭難件数になります。
よく、道迷いのことを遭難と勘違いされてますが、ケガなどで一人で下山できなくなったらそれは立派な遭難です。
実際には、道迷いの他にも滑落、病気など様々なトラブルが発生しています。
そして、遭難の原因として以下のような見解が述べられています。
山岳遭難の多くは、天候に関する不適切な判断や、不十分な装備、さらには、体力的に無理な計画を立てるなど、知識・経験・体力等の準備不足が原因で発生している(後略)
引用:警察庁:山岳遭難・水難「令和3年夏期における山岳遭難の概況」
このように、山でトラブルを避けるためには、山のリスクとハイキングの基礎知識を身に着けることは非常に大切です。
自然現象
山の天候は変化しやすいです。
晴れていても突然雲に覆われ、強い雨が降り出すこともあります。
ハイキング中は常に天候を意識しておく必要があります。
また、目的地によっては天候以外にも注意しないといけない自然現象があります。
登山計画をする際、それらについても事前に確認しておく必要があります。
ここでは以下について紹介します。
自然現象 | リスク |
---|---|
雨 | 登山道が濡れることによる転倒 体が濡れることによる低体温症 大雨による自然災害 |
風 | 強風によりバランスを崩して転倒 強風により体温が急速に奪われる |
気温 | 3000m級の山になると、最低気温が真冬並みの寒さになる 雨や風が強いと更に寒く感じる |
霧 | 目印を見失い、道に迷う |
台風 | 転倒、低体温症、自然災害が発生する可能性が高い 台風通過後は登山道が荒れて計画通りに歩けない |
雷 | 落雷に巻き込まれる |
落石 | 落石に巻き込まれる 不注意で落石を発生させて、他の人に迷惑をかける |
火山 | 火山活動に巻き込まれる 有毒性ガスの吸引 |
雨
山で雨に降られると様々なリスクがあります。
1つ目は転倒のリスクです。
登山道が濡れることで滑りやすくなります。
もし、岩場や鎖場で転倒すると大けがの危険があります。
2つ目に低体温症のリスクです。
体が濡れてしまうと体温が奪われて低体温症になる可能性があります。
レインウェアを着ていたとしても、汗などで内部からウェアが濡れてしまうことがあります。
雨が降っていると、濡れたウェアはなかなか乾かないので、汗だくにならないペースで歩くのがポイントです。
3つ目は川の増水や土砂崩れなどの自然災害のリスクです。
自分の周りは雨が降っていなくても、上流で強い雨が降っていると水面は上昇します。
また、大量の雨が降ると土砂崩れが発生し、登山道や林道が塞がれるだけでなく、落石の危険も高まります。
山に行く前は、天気予報を事前に確認しましょう。
余程の理由がない限り、雨の日は中止にする事をおススメします。
- 登山道が濡れることによる転倒
- 体が濡れることによる低体温症
- 大雨による自然災害
風
山の稜線付近では時に、とても強い風が吹きます。
足場が悪いところで強風に吹かれるとバランスが崩れてしまう可能性があります。
場合によっては転倒し、そのまま転落・滑落してしまうかもしれません。
晴れている日でも、一時的に風が吹くことがあります。
そういった時は、風がやむのを待ち、安全を確認してから進みましょう。
また、強い風に吹かれると体温が奪われてしまいます。
ウェアが濡れている場合はさらに冷却効果が高まり、一気に体温を奪われてしまいます。
森林限界以上で休憩をするときはレインウェアやウィンドシェルなどで風を防ぐか、岩の陰などを風よけとして利用しましょう。
- 強風によりバランスを崩して転倒
- 強風により体温が急速に奪われる
気温
気温は標高100mが上がると約0.6度下がります。
真夏でも3000m級の山になると最低気温が5度以下になることがあります。
これは関東地方の真冬の寒さと同等です。
天気の良い日の日中は過ごしやすいので、比較的薄着でも問題ないかもしれません。
しかし、天気が崩れたり、夜間になると一気に寒くなります。
雨や風によって体温が奪われないように注意しましょう。
気温は基本的にウェアなどの装備で対応します。
ウェアを脱着することで体温調節をしましょう。
- 3000m級の山になると、最低気温が真冬並みの寒さになる
- 雨や風が強いと更に寒く感じる
霧
濃い霧に包まれると目印を見失い、道迷いのリスクが高まります。
登山道によっては、目印が見つけにくい所や、落ち葉などで道がわかりにくくなっている場合もあるので、霧が出ている時は集中しましょう。
もし不安になったら、先に進まずに現在位置の確認をしましょう。
そうしている間に、霧が晴れるかもしれないですし、他の人と合流できるかもしれません。
- 目印を見失い、道に迷う
台風
台風の日に山に行く人はほとんどいないと思いますが、台風はとても危険なので中止しましょう。
台風が過ぎ去った後は、台風一過で快晴になることがあります。
しかし、山は大量に雨が降った後なので、川の増水、土砂崩れ、倒木などで登山道が荒れている事が多いです。
登山道のコンディションが良くないと転倒のリスクが高くなるだけでなく、計画通りに歩くことができずに日没前に下山できなくなる恐れもあります。
山小屋などから発信される情報を確認して、安全に歩ける状態かチェックしましょう。
- 転倒、低体温症、自然災害が発生する可能性が高い
- 登山道が荒れて計画通りに歩けない
雷
ここ数年で落雷による事故は発生していませんが注意は必要です。
もし雷が直撃したら致命傷です。
雷鳴が聞こえる範囲は約10kmです。
また、雷は10km離れていても落ちる可能性があります。
雷鳴が聞こえた地点は雷の射程圏内なので、どこかに身を隠す必要があります。
山小屋や避難小屋、窪地や坂の斜面に身を潜めましょう。
木の近くは測撃雷を受けてしまう危険があるので、2m~木の高さの範囲で身を屈めるとよいです。
- 落雷に巻き込まれる
落石
落石はこぶしくらいの石でも、直撃してしまうと致命傷になりかねません。
落石に気が付いたら「らーく(落)」と大声を出して周りに知らせましょう。
そして、落石の軌道から離れるように横に避けましょう。
あとは当たらないことを祈るだけです。
ちなみに、英語圏の国では「rock(石)」と言って周りに知らせます。
少し発音が近いので、外国の方にも伝えることができます。
落石は自然発生だけでなく、人為的に発生することもあります。
落石を発生させないよう、風化して脆くなった岩や不安定な石などには触らないようにしましょう。
- 落石に巻き込まれる
- 不注意で落石を発生させて、他の人に迷惑をかける
火山
噴火に巻き込まれると一溜まりもありません。
気象庁によると、2022年時点で日本の活火山の数は111になります。
目的地が活火山の場合は、事前に気象庁の「火山登山者向けの情報提供ページ」を確認しましょう。
また、有毒性ガスにも注意が必要です。
窪地や風が吹いていない場合は、あまり長居せずに素早く通過しましょう。
- 火山活動に巻き込まれる
- 有毒性ガスの吸引
疾病
山は天候が変わりやすく、寒暖差が大きいため、身体への影響も少なくありません。
ハイキング中に起こる主な疾病は以下になります。
名称 | 症状 | 対処方法 | 予防策 |
---|---|---|---|
低体温症 | 体がガタガタ震え、脈と呼吸が早まる 重症化すると意識障害が発生する |
山小屋や装備で外気や雨風から隔離する 渇いたウェアや防寒着で保温する 湯たんぽでお腹を温める エネルギーを補給する |
体を冷やさないようにする 雨風を通さないレインウェアやツェルトを用意する ウェアを濡らさないように行動する エネルギー補給を小まめにする |
熱中症 | 足がつる 内蔵や脳に支障が発生(頭痛、めまい、立ち眩み) |
日陰や風通しの良い場所で安静にする 2L程度の水分を少しずつ補給する ウェアを少し濡らして、水の蒸発で体温を下げる |
出発まで500ml程度の水分を補給する 行動中は小まめに水分を補給する(1時間に150~300ml) 行動中は小まめに塩分、カリウムを補給する 体温を上げ過ぎないようにペースを調整する |
高山病 | 頭痛 食欲が出ない 疲労、倦怠感 ふらつき 寝付けない |
標高を下げる | ゆっくり歩いて低圧、低酸素の環境に少しずつ体を慣れさせる 一気に標高を上げずに、初日は2500mまでにする |
シャリバテ | 体が動かなくなる 集中力の低下 |
エネルギーを補給する | 定期的にエネルギーを補給する |
野外では症状に早く気づくことが大切です。
軽度の症状だと気づきにくいですが、そのままほっておくと重症化してしまうケースもあります。
ちょっとした体調の変化も気に留めるようにしましょう。
低体温症
体の内部の温度が35度以下になることを低体温症と言います。
雨や汗でウェアが濡れ、その状態で風に吹かれると急激に体温を奪われてしまうので、注意が必要です。
初期症状はガタガタと体が震え、脈と呼吸が早まる。
この段階ではまだ、体が自分の力で体温を上げようとしています。
体のエネルギーがなくなると震えが止まり、脈と呼吸が弱まり、意識障害が発生します。
対処方法は、これ以上体を冷やさないようにすることです。
まずは山小屋に避難、またはツェルトやレインウェアなどを使用して、外気や雨風から隔離します。
そして、渇いたウェアに着替え、防寒着や帽子、手袋を使って体温を保温します。
ペットボトルや水筒に熱湯をいれて湯たんぽにし、お腹を温めて体温を上げるのも非常に効果的です。
また、エネルギーが枯渇しないように炭水化物などすぐにエネルギーになる食料を食べるとよいです。
- 山小屋や装備で外気や雨風から隔離する
- 渇いたウェアや防寒着で保温する
- 湯たんぽでお腹を温める
- エネルギーを補給する
予防策はウェアを濡らさにようにして、体温の低下を防ぎます。
レインウェアは、雨と風の両方防ぐことができるのでハイキングには必須装備です。
しかし、どんなレインウェアも完全に濡れを防ぐことはできないと思っておいた方が良いです。
雨が染みたり、汗で内部からウェアが濡れてしまいます。
ウェアを濡らす前に、ビバークをした方が良い場合もあります。
もちろん、山小屋が近い場合や、安全に下山できる場合はそのまま歩き歩き続けても問題ありません。
状況や装備で臨機応変に対応してください。
また、熱の源であるエネルギー補給も小まめに行いましょう。
- 体を冷やさないようにする
- 雨風を通さないレインウェアやツェルトを用意する
- ウェアを濡らさないように行動する
- エネルギー補給を小まめにする
熱中症
熱中症は発汗により、体が脱水状態になり体温のコントロールができなくなる症状です。
体温が上がると皮膚血管が拡張して空気に熱を放出するのですが、その際に脳や内蔵への血流が減少して体に支障が出てきます。
標高が低い森林地帯や高温多湿、日射には注意が必要です。
初期症状は塩分などのミネラルが不足して足がつります。
症状が進むと、内蔵や脳への血流が少なくなり、頭痛、めまい、立ち眩みなどが起こります。
対処方法は、少しでも体調の変化に気が付いたら、荷物を降ろして休憩をしましょう。
日陰や風通しの良い場所で安静にします。
この時、体を横にし、足をあげて水分が内蔵に行くようにするとよいです。
そして、2L程度の水分を少しずつ補給しましょう。
体温を下げるには、ウェアを常温の水で濡らし、水を蒸発させるのが効果的です。
ただし、ウェアを濡らし過ぎたり、キンキンに冷えた水を使用すると、低体温症になってしまう恐れがあるので、やりすぎには注意しましょう。
- 日陰や風通しの良い場所で安静にする
- 2L程度の水分を少しずつ補給する
- ウェアを少し濡らして、水の蒸発で体温を下げる
予防策は出発前と行動中に分けて行うことができます。
出発前には500ml程度の水分を補給しましょう。
夜の寝ている間にも水分は失われ、朝起きると体は乾燥しています。
まずは、朝起きたら水分を補給して夜間に失った水分を取り戻しましょう。
行動中は1時間に150~300mlの水分を補給しましょう。
水は重いので運ぶのが大変ですが、水分補給は大切なので少し多めに持っていきましょう。
水と一緒に行動食などで、塩分やカリウムなどのミネラルも補給するのも好ましいです。
また、オーバーペースで歩くと体温が上がりやすくなるのでマイペースで歩くのも大切です。
- 出発まで500ml程度の水分を補給する
- 行動中は小まめに水分を補給する(1時間に150~300ml)
- 行動中は小まめに塩分、カリウムを補給する
- 体温を上げ過ぎないようにペースを調整する
高山病
高山病は低圧、低酸素の環境で発症します。
人によっては標高2000m以上から起こり、2500m以上になると一般的になります。
標高を上げてから数日以内に以下の症状が出てきます。
初期症状が脱水症状と似ているため、切り分けが難しく気が付きにくいです。
体調の変化に気が付いたら、水分補給をしてしばらく休憩しましょう。
対処法は標高を下げることです。
ただし、軽度であれば時間をかけることで、体が環境に適応します。
回復しない場合、標高を下げることを検討したほうが良いです。
症状が重くなると、環境適応よりも体へのダメージの方が早いので非常に危険です。
酸素や薬を投与することで症状は軽くなりますが、あくまで一時しのぎです。
- 標高を下げる
予防策は一気に標高を上げずに、ゆっくり歩いて少しずつ体を慣れさせることです。
ハイキングは競争ではないので、自分が辛くないペースで歩くと良いです。
周りの景色を楽し見ながら歩くことで、高山病だけでなくバテの予防にもなります。
また、1日の標高差が大きかったり、高地でキツイ運動をすると重症化のリスクが高まります。
高山病はすぐに発症するとは限らないので、縦走の途中で発症すると非常に危険です。
登山経験があまりない人が山で連泊する際、初日は2500m程度までにすることをおススメします。
- ゆっくり歩いて低圧、低酸素の環境に少しずつ体を慣れさせる
- 一気に標高を上げずに、初日は2500mまでにする
シャリバテ
シャリバテ(ハンガーノック)はエネルギーが不足し、全身の運動パフォーマンスが著しく低下した状態です。
シャリバテになると、自動車のガス欠のように体が動かなくなります。
また、エネルギーは体を動かすためだけでなく、脳でも非常にたくさんのエネルギーを必要とします。
エネルギーが枯渇すると脳の働きにも影響が出て、集中力や判断力が低下し、転倒、滑落、道迷いなどのアクシデントを引き起こすこともあります。
対処方法はエネルギーを補給することです。
軽度のシャリバテであればエネルギーを補給することで行動できるようになります。
元気が出るまでしばらく体を休めましょう。
- エネルギーを補給する
予防策もエネルギーを補給することです。
エネルギー切れにならないように定期的に行動食を食べましょう。
- 定期的にエネルギーを補給する
ハイキングは行動時間が長いので消費するエネルギーが膨大になります。
食料計画はしっかり行いましょう。
事故
山での事故は、天候や体のコンディションが悪い時に発生するリスクが高まります。
ハイキング中でよく起こる事故は以下になります。
名称 | 予防策 | 対処方法 |
---|---|---|
道迷い | 分岐は地図で確認する 定期的に現在地を確認する 景色や会話に夢中になりすぎない |
来た道を引き返し、正しいルートに復帰する 暗くなる前にビバークの準備をする |
転倒 | 集中力を切らさないように適度に休憩をする | 自力で下山できない場合は救助要請する |
転落・滑落 | 危険個所は細心の注意を払う 他の人が来るのを待つ |
自力で下山できない場合は救助要請する |
登山道や気象状況に注意を払い、自身の精神と体のコンディションを見極めて、気を付けて行動しましょう。
道迷い
令和3年度の山岳遭難の統計では道迷いが1位でした。
道迷いの原因は悪天候によるものだけでなく、思い込みや注意力散漫でも起こります。
道迷いに遭わないようにするには、分岐では必ずルートを確認して、定期的に現在地を確認しましょう。
人気の登山道は整備が行き届いているため、比較的道に迷うリスクは少ないです。
しかし、山頂は色んなルートが合流しているのことが多いです。
このため、下山時に間違ったルートに進んでしまうケースがあります。
また、山の景色や仲間との会話に夢中になっていると、正しいルートから外れてしまう可能性もあります。
歩きやすい道が正しいルートとは限らないので、よく周りをみて目印を確認しましょう。
- 分岐は地図で確認する
- 定期的に現在地を確認する
- 景色や会話に夢中になりすぎない
万が一、迷った時は来た道を引き返し、正しいルートに復帰しましょう。
もし、「迷ったかも?」と思ったら現在地の確認し、分からなければ一旦引き返しましょう。
定期的に現在地を確認していれば、道に迷っても正しいルートの戻りやすくなります。
特にやってはいけないのは、そのまま進むことです。
正しいルートに戻るのが困難になるだけでなく、崖や滝に行きついてしまうと滑落などのリスクが高まります。
また、どうしても自力で登山道に復帰できない場合は、暗くなる前にビバークの準備をしましょう。
一晩明けると、冷静さを取り戻して目印や登山道を見つけられる可能性もあります。
- 来た道を引き返し、正しいルートに復帰する
- 暗くなる前にビバークの準備をする
転倒
転倒は疲労が溜まっている時に起こりやすいです。
崩れたバランスを無理やり立て直そうとすると、捻挫をする可能性もあります。
また、転んだ先が岩や崖だと非常に危険です。
登山道のコンディションが悪い時は気を付けようとする意識が強くなると思います。
しかし、そうでない時も注意は必要です。
特に下山時は疲労が溜まっているので、足の踏ん張りが効かなくなったり、集中力が低下しています。
筋力はその場で上げることはできません。
しかし、転ばないように注意することは程度気持ちでカバーできます。
エネルギー補給をして体に活力を与えたり、休憩をして頭をリフレッシュさせることで、集中力を途切れさせないようにしましょう。
- 集中力を切らさないように適度に休憩をする
転倒してしまい、大ケガなどで身動きが取れなくなったら救助要請をしましょう。
周囲に人に助けを借りたり、山域を管轄している警察に連絡をしてください。
- 自力で下山できない場合は救助要請する
転落・滑落
山で転落・滑落してしまうと取返しの付かない事態になりえます。
滑落・転落の危険がある場所では細心の注意を払う必要があります。
もし、一人で危険箇所を通過するのが不安なら、他の人が来るのを待ちましょう。
そうすることで救助要請がスムーズになるのでリスクを抑えることができます。
- 危険個所は細心の注意を払う
- 他の人が来るのを待つ
転落・滑落も転倒時と同様に、身動きが取れなくなったら救助要請をしましょう。
- 自力で下山できない場合は救助要請する
まとめ
山は街中と違い、様々な危険があります。
しかし、自然の怖さやリスクを知っていれば、ある程度の危険を回避しやすくなります。
いざと言う時のために、頭の片隅に置いといてください。
山の天候は変化しやすいです。
ハイキング中は常に天候を意識しましょう。
自然現象 | リスク |
---|---|
雨 | 登山道が濡れることによる転倒 体が濡れることによる低体温症 大雨による自然災害 |
風 | 強風によりバランスを崩して転倒 強風により体温が急速に奪われる |
気温 | 3000m級の山になると、最低気温が真冬並みの寒さになる 雨や風が強いと更に寒く感じる |
霧 | 目印を見失い、道に迷う |
台風 | 転倒、低体温症、自然災害が発生する可能性が高い 台風通過後は登山道が荒れて計画通りに歩けない |
雷 | 落雷に巻き込まれる |
落石 | 落石に巻き込まれる 不注意で落石を発生させて、他の人に迷惑をかける |
火山 | 火山活動に巻き込まれる 有毒性ガスの吸引 |
山の病気には十分に注意しましょう。
しっかりと予防策を行い、ちょっとした体調の変化も気に留めるようにしましょう。
名称 | 症状 | 対処方法 | 予防策 |
---|---|---|---|
低体温症 | 体がガタガタ震え、脈と呼吸が早まる 重症化すると意識障害が発生する |
山小屋や装備で外気や雨風から隔離する 渇いたウェアや防寒着で保温する 湯たんぽでお腹を温める エネルギーを補給する |
体を冷やさないようにする 雨風を通さないレインウェアやツェルトを用意する ウェアを濡らさないように行動する エネルギー補給を小まめにする |
熱中症 | 足がつる 内蔵や脳に支障が発生(頭痛、めまい、立ち眩み) |
日陰や風通しの良い場所で安静にする 2L程度の水分を少しずつ補給する ウェアを少し濡らして、水の蒸発で体温を下げる |
出発まで500ml程度の水分を補給する 行動中は小まめに水分を補給する(1時間に150~300ml) 行動中は小まめに塩分、カリウムを補給する 体温を上げ過ぎないようにペースを調整する |
高山病 | 頭痛 食欲が出ない 疲労、倦怠感 ふらつき 寝付けない |
標高を下げる | ゆっくり歩いて低圧、低酸素の環境に少しずつ体を慣れさせる 一気に標高を上げずに、初日は2500mまでにする |
シャリバテ | 体が動かなくなる 集中力の低下 |
エネルギーを補給する | 定期的にエネルギーを補給する |
事故は天候や体の調子が悪い時に起こりやすいです。
しっかりと状態を見極めて行動しましょう。
名称 | 予防策 | 対処方法 |
---|---|---|
道迷い | 分岐は地図で確認する 定期的に現在地を確認する 景色や会話に夢中になりすぎない |
来た道を引き返し、正しいルートに復帰する 暗くなる前にビバークの準備をする |
転倒 | 集中力を切らさないように適度に休憩をする | 自力で下山できない場合は救助要請する |
転落・滑落 | 危険個所は細心の注意を払う 他の人が来るのを待つ |
自力で下山できない場合は救助要請する |
安全なハイキングをするためにぜひ参考にしてください。